EQ articles

激動の時代、プレッシャーに勝つ

by : Six Seconds  | 

2011年9月15日 | 

, , ,

感情知能EQのシックスセカンズジャパン公式ウェブサイト EQ articles 激動の時代、プレッシャーに勝つ

成長が長続きする明確で、
説得力のある計画がほしいと、だれもが思っています。

しかし、これまでに、この計画でうまくいった!と
声を大にして叫ぶリーダーに会ったことはありません。

一部には、安定的な計画を持つ組織もありますが、
多くの組織はおおむね混乱状態にあります。

これまで安定的と思われていた日本の超大手インフラ系事業会社は、
人類が経験したこともない大混乱に陥り、すべての業種業態において、
安定した計画を立てる難しさを、世界中に認識させました。

これまでわたしたちが、コンサルティングを行った組織のすべてが、
独特の難しい環境で本領を発揮すべく苦戦を強いられています。

今まさに「激動の時代」です。
それも単なる変化ではなく、変化の仕方も、対処の仕方も不確実です。
かなりの激しい揺れが続いており、組織の中枢にいる人々は
強いプレッシャーを感じているはずです。

急速で予測の難しいニーズや社会構造の変化、基本戦略変更まで迫られ、
混乱状態という状況下で、重大な決断や成果を求められるとき、
リーダーや組織には、大きなプレッシャーがかかります。

チャレンジが求められる局面で、感情知能のスキルが、
いつにも増して重要になることを知っておいてください。

●急速なイノベーション
驚くほど速いスピードで進む技術革新により、前例のない変化対応やイノベーションが求められます。このような時、リーダーを含め、すべての人々の感情が、プレッシャーに対処するため、必死に感情と思考のバランスを保ち、変化対応力を維持しています。
●グローバル化
より複雑なサプライチェーン、異文化間のコミュニケーション、分散型チーム、グローバル競争で大幅に縮小させられた利幅等により、リーダーたちはこれまで以上に慎重で注意深く数多くのことに、バランスを保つ必要に迫られています。特に人間関係の緊張から起こる些細なコンフリクトが、甚大な損害を招く傾向が、今後さらに高まっていきます。
●人材獲得競争
激動の時代であればこそ、トップ・エンジニアをめぐる、人材獲得競争の熾烈化というトレンドを把握することができます。グローバルに勤務地を選択でき、世界のどこに居を構えても在宅勤務もできる時代、有能な人々は自分でキャリアをデザインします。不愉快と感じさせる職場や、意義のあるビジョンを達成しようとしない組織であれば、トップ人材はすぐに離職してしまいます。必要な人材が、組織にロイヤリティを感じ、モチベーションを維持できる体制や組織運営方法を、誰もが模索しています。
●透明性
粉飾決算等の影響を受け、投資家や規制当局者はより注意深くなっています。特に上場している組織では、開示すべき情報も増えています。SOX法により経営陣はさらなる内部統制の強化を迫られ、各部門リーダーへのコンプライアンス遵守を強化しました。リーダーたちは強いプレッシャーを感じながらも、誤った判断を回避し、問題を隠蔽せず、不誠実な行為を戒め、適切な意思決定を行い、そのプロセスに部下たちを巻き込んでいくことが求められています。
●変動する価値
100年前の株式市場は少数のプロの投資家が動かしていました。しかしインターネットの普及や制度の変更により、巨大で多様な売買や監視が、だれでも容易にできるようになりました。過去10年間、私たちが目の当たりにしてきたように、企業における、優れた戦略や組織の効率性が株価に反映していないケースがあります。それは、投機筋による過度の空売りや、外向きの情報発信や感情誘導、さらには、外国政府の政策変更の噂といったコントロール不可能な要因のほうがはるかに大きい影響を与えているのです。

これらすべてに共通しているものは、強いプレッシャー環境に対して、
感情と思考の調和を上手くできるかどうかということです。

保有資産やプロセスでは、対処することはできません。
そこで働く人々が鍵となります。

強いプレッシャー環境は判断を鈍らせるうえ、
長期間継続した場合、精神的な疾患につながることが解明されています。
しかし、プレッシャーをまったく感じなくなると、
危険予測・回避行動がとれなくなるうえ、社会性も失ってしまいます。

プレッシャーは、目の前に危険の可能性があることを、
目や耳などで認知した情報を、脳が自動処理し、意識へ伝えるシグナルです、
このプレッシャーが届けてくれる情報を有効活用できるかどうかは
組織やそこで働く人にとって重要なポイントとなります。

並はずれて優れたリーダーのいる組織は、独特の組織風土を作りだしています。
それは、「失敗は学習の一部だとし、人々のことを
『雇用してやっている、給料を払っている』と考えることもなく、
心の底から重要で大切な財産だと感じ、
さらに、成功とは100メートル走ではなく、
マラソンに勝つこと」だとする組織風土です。

成果を挙げる組織は、互いが支えあい、励まし合い、辛さ、悲しみ、喜びを
分かち合う感情風土が形成されています。
そこでは、失敗を恐れずにプレッシャーへ挑戦を続けることを
可能にする環境が整っているのです。

先進的なリーダーたちは、厳しい状況を理解したうえで、
むしろ「私たちは経験をしたことのない、新しい状況にいる。
だから、乗り越えるための新しいツールが必要だ」と考えてはじめました。

一方、感情と思考を結びつける分野は新しく、
活用方法・教育方法が存在していませんでした。

しかし、この新分野である「感情知能」に対し組織のリーダーたちが
注目したのは、ソリューションへの「新しいツールとしての可能性」を
感じさせたからではないでしょうか。

実際、ヒューレット・パッカード、フェデラル・エクスプレス、シェラトンなど
世界を牽引する組織が、競争優位の切り札として、あるいは、
前例なき仕事や市場のプレッシャーに対処するソリューションとして、
感情知能を導入しています。

激動の時代を止めることは誰にもできません。
また、プレッシャーは大切な情報(メッセージ)であり、
打ち勝つものでなく、個人と組織が共に、その情報へ目を向けるべきものです。

それだけに、個人と組織の感情知能を実践的に磨き上げ、
感情に賢い組織に変貌させられるかどうかが、
激動の時代を乗り切り、成功へ向えるかどうかの分かれ道となるでしょう。