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すべての子どもたちにEQを

by : 6SJ 須澤 知史  | 

2017年8月1日 | 

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どうすれば子供たちの未来は素敵な未来になるでしょうか?
そして、私たちにできることは何でしょうか?

2016年11月1日、アメリカのSix Seconds本部は、国連が定めた記念日である「世界こどもの日(Universal Children’s Day)」(11月20日)に向けて、世界の子供たちの為にEQを届ける3週間のプロジェクト「The EQ Children’s Day」を開催し、100ヶ国を超える人々とシェアしました。

そのプロジェクトでは3つのテーマについてアプローチされました。

《自己認識の為のEQ》
  子供やそれを取り巻く大人はEQを活用してどのように自己認識を高められるか
《より良い人間関係の為のEQ》
  良好な人間関係を構築していくにはEQを活用してどんなことが必要か
《世界の為のEQ》
  より豊かで思いやりにあふれた未来を創造するため、子供達の為に共に活動しよう

そして11月20日の世界こどもの日には、世界中の参加者同士がFacebook(EQ Children’s Day)などを通じて、その活動や写真を共有しました。

なぜ世界中の人々がこのような取り組みに共鳴し、アクションを起こすのでしょう?
それは世の中の情勢が目まぐるしく変わる現代において、人々がより良い人生を創造していくためにEQがその手助けとなることに気づき始めているからではないでしょうか。

WHO(国連世界保健機構)では1997年に「Life Skill(人生で起こるさまざまな問題や要求に建設的かつ効果的に対処する能力)」として以下の10項目を挙げました。

1.   意思決定能力 Decision Making Skills
2.   問題解決能力 Problem Solving Skills
3.   創造的思考 Creative Thinking
4.   批判的思考 Critical Thinking
5.   コミュニケーション能力 Effective Communication Skills
6.   人間関係の構築と維持能力 Interpersonal relationship Skills
7.   自己認識 Self-awareness
8.   共感する能力 Empathy
9.   感情を制御する能力 Coping with Emotions
10. 緊張とストレスに対処する能力 Coping with Stress

これらの大部分の能力を下支えしているのがEQ(最善の結果に結びつくように感情と思考を効果的にブレンドする能力)であることが皆さんも想像できるのではないでしょうか。

日本ではどうでしょう。

「人間力」「社会人基礎力(経済産業省)」「生きる力(文部科学省)」などは、どれも現代とこれからの時代をよりよく生きていくために必要な能力とされていますが、根幹となる部分は同じものを指しているように思います。

専門的な知識やスキルに加え、自分自身を知り、最善の選択肢を見極め、自分で自分を方向づけ導いていく力。
そして助け合い、前に進んでいくためにより良い人間関係を構築していく力。

Six Secondsは、EQがそれらの力の発揮に大きく貢献できると信じています。私たち自身の為に、そして子供たちが未来をよりよく生きていけるように、EQを広める活動が日本でも始まっています。

シックスセカンズジャパンでは学校や児童施設、地域のスポーツチームなどにもEQの輪を広めています。

先日、以前EQの講習会を行ったある高校からうれしい声が聞こえてきました。
講習会では「自分で自分を導いていくことの重要性」を一緒に考え、そのためにEQが力になることを一緒に学びました。

今年の夏の甲子園県予選、山間地域の高校の為部員がそろわず複数の高校による連合チームで参加したその高校。
優勝候補との一戦に、どんな相手であろうと「自分たちのベストを最後まで尽くす」ことを誓い試合に臨みました。

彼らの相手は「優勝候補である対戦相手」ではなく「困難に立ち向かう自分たち自身」。
試合は周囲の予想通り相手の優勢が続く展開です。

初回に3点を奪われ実力の差を見せつけられるも、賢明な守備でその後を死守。
強豪相手にでも、自分たちが積み上げてきたものをすべて出すことにとにかく全力を尽くしました。

気迫の守備がチームに勢いを生み、迎えた次の回の攻撃。
味方が出塁したチャンスにキャプテンが選んだバットは同じチームの他校のバットでした。

「連合チームらしいプレーがしたい。」

皆の想いを背負って振ったバットがヒットを生み、待望の1点をもぎ取り2点差。
会場が最も沸いた瞬間だったといいます。

試合はその後、優勝候補に力の差を見せつけられ敗退。
しかし最後の最後まで声を出し続けベストを尽くした選手たちに観客も相手もその姿勢を称えました。

 

Emotions drive people ~感情が人を動かす~

 

最後の夏の大会に、生徒たちのEQが輝いた瞬間でした。

スポーツにおいては、そのルール上「相手」に勝利することが求められます。
勝利は称えられ、時として勝利こそがすべてと思えてしまうときもあります。
しかし彼らからは「困難にぶつかったときにどう自分自身を導いていくか」その重要性を教えてもらいました。
そしてEQが自分で自分を導いてくことの手助けとなることを改めて感じました。

すべての子供たちにEQを
シックスセカンズの活動はビジネスの分野を超え、子供から大人まですべての「人」へと広がっていきます。

 

シックスセカンズジャパン
須澤 知史