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見えてきた「日本企業が抱える課題を解決する鍵」

by : 6SJ データ分析センターフェロー 三森 朋宏  | 

2018年5月15日 | 

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シックスセカンズジャパン データ分析センターフェローの三森です。

前回まで、シックスセカンズ社のグローバルEQ検査「SEI」のデータ集計、分析した結果をもとに、以下3回に分けて「EQ(SEI)データ分析から見えてきた日本の課題」についてポイントをお届けしました。

1. EQ総合値に見る日本人の全体傾向について
2. ブレイン・ブリーフ・プロファイル(BBP)データ分析に見る「人材の多様性」について
3. SEIによる年代、役職別のEQ総合スコアについて

今回は、ここで得られた大きな課題の解決策について事例を交えて考えてみたいと思います。

ご紹介する2件の事例は、異なる企業と階層にEQをベースとした研修を実施した際の研修前後の変化をデータによって示しています。

 

事例1:人材の多様性の課題解決によるコミュニケーション改善

1つ目の事例は、「ブレイン・ブリーフ・プロファイル(BBP)データ分析に見る「人材の多様性」についてで述べた人材の多様性の課題解決の可能性を示すものです。

玩具の流通小売業の会社、30〜40代の若手リーダー15名を対象に研修プログラムを行なった事例です。BBP検査を用いたブレイン・スタイルコミュニケーション講座を行いました。本講座を通じて自分のコミュニケーションスタイルと他者のコミュニケーションスタイルを知り、コミュニケーションの多様性を理解することで、個性を尊重しながらも円滑なコミュニケーションが取れることを学びました。そして、コミュニケーションにおいてより良くするために気をつけることをアクションプランに設定しました。その後、1.5ヶ月の間、人事・育成担当者の協力により、社内SNSを活用した継続的なコミュニケーション改善を図りました。

結果は、下記の図に示す通り、ブレイン・スタイルが当初8種類中4種類だったものが、6種類と多様になりました。人事・育成担当者からは、本研修プログラムに参加した方のコミュニケーションが明らかに活性化し、熱い議論においてもポジティブな発言が交わされるようになったとコメントを頂きました。

また、1.5ヶ月後にお会いした際、人事・育成担当者様は、

「例えば営業と仕入れや納品担当車との間の会話は以前、できる/できないの押し問答であったが、今は、どうすれば上手くいくか?課題を乗り越えられるかを語りあるパートナーとして業務を進めてくれている」

「同時に、仕事のスピード感も増し、お客様の信頼感も高まる声が聞こえる」

とお話をされ、研修参加メンバーは、

「あきらかに仕事がやり易くなり、前に進んでいる感じがする」

「議論はするが、以前のように単にぶつかるだけでなく、前向きに改善・解決しようとする議論に変わった」

と語っていました。

さらに、SEIによって8つのEQコンピテンシーについてもデータ分析を行なったところ、次の図のようにSEIの結果においてもポジティブな変化が確認されました。

 

このように、多様性とEQの能力開発は、関係が強く、ダイバーシティ(多様性)&インクルージョン(統合)がイノベーションを生むと考えられることからすれば、EQが低迷期の日本企業を救う鍵と考えられるのではないでしょうか?

 

事例2:共鳴型リーダー研修による

2つ目の事例は、「SEIによる年代、役職別のEQ総合スコアについて」から見えてきた課題解決の可能性を示すものです。

大手電気メーカーグループ会社、40~50代のマネージャー・シニアマネージャー39名を対象に行った研修プログラムの事例です。SEIリーダーシップレポートを用いた共鳴型リーダー研修を行いました(共鳴型リーダー:EQに優れ、周囲を巻き込みながら総和以上の組織パフォーマンスを引き出すリーダー)。2日間の集合研修では、ビジョンを描き部下と共有し、部下をモチベートし、部下が意見を出し動きやすい職場環境を作るリーダーシップを様々なワークを通じて学びます。その後、2ヶ月間の実践について研修に参加したリーダー同士が相互サポートしながら継続します。1ヶ月を経過した時点で中間の振り返りを行い、実践行動の修正を行います。

結果は、図3に示す通り、全てのEQコンピテンシーの平均が機能レベルに達し、図4に示す通り、レベル別の分布も正規分布(国際水準)に非常に近い状態になりました。

本事例の会社では、

①当初、年度の売上達成はきわめて厳しいという予測でしたが、本研修プログラム実施の時期から売上が伸び、当年度の予算を達成することが出来ました。

②リーダー毎のEQ(SEI)の伸びと業績(売上数値)を確認したところ、EQの伸びが大きくSEIの検査結果が「機能レベル」以上のリーダーは、早期に自部門の売上予算の達成見込みがたち、達成に貢献していることがわかりました。

③また、同社内で1回/年 行なっている従業員サーベイにおいては、本研修プログラムから半年後に行われたサーベイにおいて上司のリーダーシップと組織のコミュニケーションに対し、肯定的な回答が大きく伸び、従業員(メンバー)も変化を実感したことが、確認されました。

 

EQの導入が多様性・生産性の課題を解決する

今回ご紹介させていただいた二つの事例はいずれも、前回まで3回に渡り本マガジンでお伝えしてきた、

・ダイバーシティ(多様性)に関わる課題

・働き方改革における生産性に影響する40~50代管理職の課題

など、現在日本企業が抱える大きな2つの課題をEQをベースにした施策の導入によって解決できる大きな可能性を示唆しています。

私たちシックスセカンズジャパンは、全国のEQチェンジエージェントと共に今日本が抱えるこれらの課題に正面から向き合い、解決に向けた挑戦を続けていきます。

 

最後に

シックスセカンズジャパン データ分析センターから、4回に渡りデータ分析による課題提起と課題解決に向けた事例を示してきました。EQデータ分析を行うことによってこれらの利点を得ることができます。

・企業、組織、個人の課題を可視化し、具体的な解決策の立案を可能にします
・人材育成研修、組織開発施策の効果を定量的に示すことを可能にします
・研修受講者、組織メンバーが変化を確認でき、新たな変化に対する自信に繋がります

シックスセカンズでは各種EQアセスメントを活用したデータ分析ベースのソリューションの提供も行なっています。組織のEQデータ分析にご興味のあられる方は是非お気軽にご相談ください。

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

シックスセカンズジャパン
データ分析センターフェロー
三森 朋宏
(編集:
シックスセカンズジャパン勝又・須澤