田辺康広のKnowledge Magazine

顧客満足度の70%を握る感情

Vol.003 2011年10月4日発行

どのような組織を運営していても、主要な成功の尺度は、
顧客が商品やサービスをどのように感じているかです。
いかに顧客を引きつけ、維持できるかという組織の能力が求められています。

メリーランド州立大学のベンジャミン・シュナイダー教授は、
スローン・マネジメント・レビュー誌で、
顧客ロイヤリティーを創造するためには、
「顧客を喜ばせる努力を組織はしなくてはならない」と説いています。

ダニエル・ゴールマンほか著の「EQリーダーシップ(日本経済新聞社)」にも
同教授の興味深い調査結果が紹介されています。

銀行、保険会社の営業所、コールセンター、病院など、
さまざまな業務にわたって調査し、
従業員による自社のサービス志向の評価を見ると、
顧客満足度から会社の業績まで予測できることがわかったといいます。

同様に、最前線の顧客部門でモラール(モチベーション)が低下してくると、
それが3年以内に高い離職率や顧客満足度低下となって現われ、
3ヶ月後に収益の低下につながるという調査結果です。

収益は顧客満足度に支えら、
顧客満足度はスタッフのモラールが支えていることがわかります。

ここで少し、顧客の立場で考えてみましょう。
あなたが友達や同僚にある製品やサービスを勧めることとなったとき、
勧める理由として特によい点を5つ上げてみてください。
その理由の中に、人間関係やあなたの感情的要因がいくつあるでしょうか。

シックスセカンズではかつてオフィスに
A社のコンピューターや関連製品を数台もっていました。
数年後、このA社のプリンターを使い、A社のパソコンから印刷するために、
新しいA社プリント・サーバーをA社ルーターに接続しようとしたが、
正常に接続ができませんでした。

コンピューターが大好きで、普段はコンピュータ・ケーブルの迷路を
抜け出す作業など、大喜びのメンバーも数時間かけてマシンと格闘したのち、
がっかりしながらテクニカル・サポートを呼ぶ羽目になりました。

先に述べたように、皆さんは普段、
感情についてあまり口に出さないかもしれませんが、
この状況であなたがA社の社員だったら
顧客にどう「感じて」ほしいと思いますか?

安堵、安心、感謝、喜びのような感情を感じてもらうためには、
A社のスタッフはどのような気持ちで顧客に接する事が大切でしょうか、
尊敬や思いやりでしょうか?

この時、購入した同社の製品に関してはすべて問題無く、
テクニカル・スタッフの知識と技術も優秀で、予定通り印刷できました。

しかし、残念なことに対応した
同社のスタッフ達の感情知能が秀でていませんでした。

それから数年間、私たちは同社製の製品は一つも購入しませんでした。
同社の製品性能が悪く、値段が高いわけではありません。

すべては、同社テクニカル・スタッフとのやりとりが
あまりにも不愉快だったからです。
数十年経った今でも、あのときの気持ちは、
昨日のできごとのように思い出せるといいます。

その時にメンバーが抱いた感情が、メンバーのA社に対する考えを変えました。

たった1人の顧客がA社の将来の財務状況を一変させることはできないにせよ、
こういう顧客の些細な感情の積み重ねが、
将来の業績上の問題の火種や兆しとなることは確かです。

感情が人々を動かし、人々が結果を作っているのです。

顧客に満足を感じてもらうために、
あなたと部下に、どれほどの専門的、技術的なスキル・知識が必要でしょうか?

当然、専門知識などは重要ですが、
それ以上に感情知能に秀でていなければならないのです。

顧客が本当に求めているものは「満足や喜び、安堵感」なのです。

営業や販売、接客に関して「人間関係がすべてだ」という格言があります。
感情知能は、より強い人間関係を築いくときにとても役立つ能力です。

自社の製品やブランドに対する顧客の評価に影響を与えるものとして、
社員の顧客に対するかかわり方はどれほどの影響を与えているのでしょう?

製造とサービスを手掛けるある企業グループで、
販売ロスに関し、複数の研究結果を統合し、より信頼性の高い結果を
求めるられる統計解析であるメタ分析を行いました。

結果、顧客離れの理由の

「30%は、製品と品質と技術面」にあり、
「70%は、不快な顧客対応や不信感」にあるという結果になりました。

販売ロスの大半が、感情や人間関係に関することが主な要因でした。

この調査結果から分かることは、技術開発、製品開発、品質管理へ
振り分けられている投資の一部を、顧客対応向上に振り向け、
感情知能を用いてそのダイナミックスを変えれば、
顧客との人間関係の質が変わり、顧客満足度が変わり、
ひいては業績が変わっていたということです。

全世界にいるあなたの競争相手はすでに、70%の改善に着手しています。

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