EQコミュニティマガジン

畑と組織

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Vol.014 2012年10月3日発行

「ポジティブ心理学入門」という本を読みました。
(クリストファー・ピーターソン、宇野カオリ役、春秋社)

その中の一節に
「私は、良い組織というのはメンバーたちを現状よりも元気にすることの
できる場所なのではないか、と思っている。」という段がありました。

読みながら弊社のビジネスパートナーであり山梨県経営者協会の重鎮、
そして元ニスカ株式会社専務の小林隆二氏の話してくれる
「畑」の話を思い出しました。

「田辺さん、畑ってやつは甘やかしても厳しすぎてもだめ。
丹精こめて手入れして、愛情こめて向き合うと毎年作物をもたらせてくれるんよ。」

「田辺さん、畑ってやつは面白いね。夏の日照りで畑の表面は干からびているのに、
有機肥料で育てた野菜たちは地面の下でしっとりと育ってくれているんよ。」

「田辺さん、畑ってやつは面白いね。昨年はたくさん収穫をくれたんで、
ついつい安心して、ろくにお礼の有機肥料を与えず作付けすると、
畑が疲れ、地力が落ちてしまうんよ。そんな ときには、、、」

私は、チームビルディング研修やマネジメント研修などで組織目標の話をします。

「皆さん、目指すべき組織目標は2つあります。
1つは、その年の業績目標で数値化できるもの。
もう1つは組織力です。今年だけではなく、
将来に向かって継続して成果をあげることのできる組織とすることです」と。

成果主義が90年代半ばより強調され、成果をベースにした制度への変更が、
職場リーダーたちの目を数値化できる単年度の目標達成ばかりに
向かわせてきてしまったような感があります。

畑に例えるならば化学肥料をたくさん投与して、その年の収穫量を最大化する。
しかし、地力は疲弊して翌年の収穫をもたらさらない、
といった感じではないでしょうか。

組織力を構成するものは
「人」「仕組み(制度やシステム)」「風土」といわれます。

「仕組み」をいくら整えても「人」が疲弊し、
「風土」が適切に作用しない組織では、永続性のある組織にはなりません。

では、どうしたらよいのでしょう。

冒頭の一説が教えてくれているような気がします。

「良い組織というのはメンバーたちを
現状よりも元気にすることのできる場所なのではないか」

元気という漢字が示すものは、一人ひとりのエネルギーが
外に向かい発散している(気)が(元)だと聞いたことがあります。
ピーターソンの言葉と元気の意味を考えると、
まさしく一人ひとりのポジティブなエネルギーが能動的な行動を通して
組織に吹き込まれている様をイメージできます。

そして、一人ひとりのポジティブなエネルギーを
外に向かわせるドライバーが組織風土を創りあげていきます。

組織風土は、組織に醸成された行動習慣や思考習慣です。
物事をどうとらえるか、どのように行動することがその組織で歓迎されるのか、
組織メンバー全員が理解し、実現しようとしている状況です。

特に、組織を率いるリーダーは、組織の風土を偶然のものにしては
いけないのだと思います。
自分の預かる組織の風土を設計し、実現させていかなければならないと思うのです。

組織風土は、一朝一夕には出来ません。

日々リーダーとして
自分は「どのような行動や思考を歓迎するのか」
「どのようなことは見逃さないのか」
メンバーに明示し、そして自らも率先して行動していくことが必要です。

このような自分やメンバーへの問いかけの繰り返しが、
組織に信頼感を生み、課題や目標の達成へのチャレンジ精神を生み出し
組織全体に有能感情や自尊心と訳される「エフィカシー」を育みます。
エフィカシーは、私たちなら出来る!という自信とやる気です。

豊かな土壌
元気な組織作りには

メンバーのやる気と自信は欠かせません。
ましてや、リーダー自身のやる気と自信はもちろんのことです。

組織や個人の感情に注目し、整える力=EQ こそが
組織と個人に、やる気と自信を継続させる
ポジティブなエネルギーをもたらすのです。

(田辺 康広)

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