EQコミュニティマガジン

「チーム診断を用いた介入(効果編)」

vol.8 2017年10月15日発行

第1回は活性化の定義、第2回はチームの定義について検討、紹介してきました。
今回からは活性化しているチームとなるための方法として、「診断」を用いた介入について記していきたいと思います。

皆様は、「貴方の職場を診断します」と言われたら、どのような気持ちや感情になりますか。

「私の職場の課題が浮き彫りになる良い機会となりそうだ」
「変革するきっかけとして活用できそうだ」
といった前向きで肯定的な感情になりましたか。

それとも、
「何かいやなことをほじくり返される」
「私のマネジメントに疑いを持たれている」
「私を信頼されていない」
「私のあらを探そうとしている」
といった否定的な感情になりましたか。

 

診断を実施するということを伝える場面に、私は何度も立ち会ってきました。
多くのマネジャーは「診断を行う」と言われた時、恐れ不安といった感情が沸き上がり、診断導入に対して、否定的な反応を示していました。診断を実施しようとする推進部門に強く抵抗を示したり、職場メンバーに、良い点数をつけるよう指示したりするマネジャーもいました。
かくいう私も職場診断を行うと言われた時、非常に強い抵抗感を示したものです。

 

不安恐れは、未来に対する脅威を感じた時に生じ、自分の能力で対処、統制できなさそうな存在に遭遇すると引き起こされる感情です。
つまり、診断を行うことによって
「自分自身が対処できない大きな問題を抱えることになるのではないか」
「昇進に不利になるデータが出てしまうのではないか」
「上手く押さえ込んでいた不満や不平を蒸し返されるのではないか」
などといった不安心理抵抗感に繋がってしまうのです。

しかし、この不安心理を持ちたくないためだけに診断を行わないのは、非常にもったいないことなのです。

 

多くのチームで診断を実施してきた経験から、診断の実施により『5つの大きな効果』を得ることができるという確信に至りました。

  1. 『リーダーが不安や恐れを抱く』であろうと推察される診断を行う意思決定をすることが、メンバーに対し、チーム変革を本気で取り組むリーダーとしての姿勢を示すことになる。
  2. 問題解決できていないチームほど顕著であるが、多くの職場やチームでは、日常のミーティングの場では、率直に話すために必要な『心理的に安全な場』が築けておらず、いくらリーダーが率直に話して欲しいと言っても、本音が出にくい環境となっている。そのため、問題に対して開放的なコミュニケーションが取れず、問題を放置したままの状態になっている。無記名方式の調査の実施により、本音を引き出しやすくなる。
    つまり、日常の場では「批判」と判断される恐れがある発言も、診断結果を活用した話し合いの場では「問題提起」として扱われやすくなるため、相互の開放的なコミュニケーションを促し、硬直化したチーム環境を変化させるきっかけを得ることができる。
  3. チーム内で抑圧された感情は、やがて何らかの形でチームに悪影響を及ぼすため、診断の実施によりチーム内の不満不平を押さえ込まず、建設的に取り上げることができ、問題の拡大を防ぐことができる。
  4. 診断結果を用いることで、共通のプラットフォーム(土台)に基づいて、問題を話し合うことができる。チームの諸問題を話し合う際に、リーダーや特定メンバーの関心事だけに偏らずに、多面的な視点からチーム運営の実態や問題を浮き彫りにすることができる。
  5. 活性化策を実施する事前と事後に診断を実施することで、活性化効果を可視化でき、活性化方法の効果性を早期に検証することができる。

上述の通り、診断実施の効果は非常に大きく、取り組む価値がある有用な介入方法です。

 

ピーター・ドラッガー氏が述べたと言われている「測定できないものはマネジメントできない(”You can’t manage what you can’t measure.”)」という考え方もあります。
一度、チームの現状を測定し、生産性を高めるための機会を得てみませんか。

 

診断を効果的に活用するために、リーダーは診断を実施する前に、メンバーに対し、診断の目的や活用方法を伝え、安心感を与えることが不可欠です。

メンバーは必要以上に怖がり憶測します(「きっと誰がどのように答えたかをリーダーだけは知ることができるのだ」「無難な回答をしてリーダーの機嫌を損なわないようにしよう」など)。
そのため、診断結果を人事考課や査定に利用することは決してないことや、いかなる結果になっても犯人捜しをせず、誰も非難しないことを伝えます。
また、診断の目的はチーム変革のために実施するのであり、目的達成のためには、本音で書いてもらう重要さをリーダーが直接メンバー全員に伝える機会を持つことも大切です。

 

あるチームでは、せっかくメンバーが勇気を出して、本音で回答したにも関わらず、診断フィードバックの際に「この質問で、1と回答したのは誰なのだ」という発言を小声でリーダーがしてしまいました。
その後、日常のミーティングの場だけでなく、いかなる診断においても、全く本音を言って頂けなくなったことがありました。

リーダーは、診断実施前と実施後での言動に細心の注意を払い、リーダー自身が診断結果に納得いかなくとも『メンバーの貴重な心の叫び、期待、勇気の結晶』であると認識し、一旦受け止めることが活性化の第一歩につながっていきます。

 

次回は、「チーム診断を用いた介入(診断モデル編)」として、6secondsが提供しているチーム診断である『チームバイタルサイン診断』について紹介していきます。

 

 

Six Seconds Japan 組織活性化研究センター フェロー
山本 憲幸

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