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「チーム活性化の視点から見た衆議院選挙」〜番外編〜

〜番外編〜 2017年10月26日発行

Six Seconds Japan 組織活性化研究センターのフェローを務めております株式会社ビヘイビアチェンジパートナーズ 代表取締役 山本憲幸です。

 

衆議院選挙は、自由民主党と公明党の与党が、313議席を確保した結果に終わりましたが、皆様はどのような点に関心を持って見ていましたか。

私は、各政党がチームとして効果的に動けているのかに関心を持って、選挙戦を見ていました。特に、公示前に大きく動いた希望の党と立憲民主党が、チームとしてどのように成長していくのかに着目していました。

 

チーム内外から、リーダーに対する信頼が崩壊した希望の党、信頼を築き上げた立憲民主党という『リーダーに対する信頼の違い』が、希望の党の惨敗、立憲民主党の躍進という結果に繋がったと私は見ています。

 

集団が形成されると

「あのリーダーに任せておけば大丈夫だ」
「あのリーダーについていけば良いことがありそうだ」

と最初に集団を立ち上げたり、任命されたりしたリーダーに依存する人達が出てきます。
今回の衆院選では、小池氏率いる希望の党に、民進党の前原氏が懇願し、合流しました。
まさに小池氏への依存状態が起こっている顕著な現象でした。

 

一方、集団形成時には、依存する人達が出てくると同時に「リーダーのお手並み拝見」と依存派とは距離を置き、静観する人達が出てきて、水面下で分派活動を始めます。

特に、集団内における

  1. 方向性(目的と目標)への理解と納得
  2. 統制の仕方(どこまで自由にやって良いのか。どこまで従わなければならないのか)
  3. 開放性の程度(どこまで本音で話して良いのか。受け止めてくれるのか)

が分かってくると、
メンバーの想定と違った場合、抵抗を示し、反発する人達が声を上げ始めます。
希望の党も例外ではなく、選挙活動中にも関わらず、党内から小池氏に反発する人達が現れました。

 

この闘争段階で効果的なチームとなるには、リーダー主導のもと、依存派と反依存派の方々で話し合い、葛藤を解消する過程が必要不可欠です。
しかし選挙期間であったため、話し合いの場が持てず、葛藤を解決できないまま、闘争状態をより加速させてしまいました。
また、小池氏は首相指名候補も明言せず、自身が出馬するのか否かを問われ続けてしまい、自身に対する不信感を解消することで手一杯となってしまっていました。
希望の党内の諸問題解決には、無関心を装い、問題がないように振る舞っているように見えました。
そのため、選挙後すぐに「小池氏はリーダーを辞任すべきだ」との声も党内から出ており、全く信頼を築くことができないチームとなってしまいました。

 

一方、希望の党に合流できなかった枝野氏は、立憲民主党を立ち上げたわけですが、

合流できなかったことが

「希望の党に受け入れられなかった私達」
「希望の党には入りたくなかった私達」

という共通の意識で結成されたメンバー構成となり、偶然にも非常に凝集性の高い集団が形成できていました。
且つ枝野氏に対しては「短期間で私達の居場所を作ってくれたリーダー」と認識され、依存派が多数を占めている集団になっていました。
すぐに選挙活動に入ったため、分派活動も発生しないまま、選挙期間を終えました。
そのため、選挙後の顔合わせでは、お互い笑顔で握手をしながら仲間意識を感じている様子がうかがえました。

現時点では、立憲民主党は、枝野氏を中心とした求心力で凝集性の高いチームが形成できています。
しかし、「他の野党勢力との合流ではなく、立憲民主党独自に党勢の拡大を目指す方針」を示しています。この方針に納得していない党員もいるかもしれません。

いずれにしましても、チームで活動をしていけば、分派活動や闘争問題は必ず起こります。
その時に効果的に葛藤解決ができて、本当の意味での協働関係が築けるチームとなるのか、それとも分派し再編成を行うのか、
今後の推移を見守っていきたいと思います。

 

自チームが一体どの状態になっているのかをリーダーは適切に診断し、対策を講じる必要があります。

「依存・反依存が起こり始めた状態」
「葛藤を解決するための闘争状態」
「無関心を装い葛藤から逃避している状態」
「葛藤を解消し協働できている状態」
「役割が固定し、新たな依存・反依存が起こり始めている状態」

皆様のチームはどの状態なのでしょうか。

 

 

Six Seconds Japan 組織活性化研究センター フェロー
山本 憲幸

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