EQコミュニティマガジン

「チーム診断を用いた介入(診断モデル編)」

vol.9 2017年11月1日発行

Six Seconds Japan 組織活性化研究センターのフェローを務めております株式会社ビヘイビアチェンジパートナーズ 代表取締役 山本憲幸です。

第3回のメルマガでは「チーム診断を用いた介入(効果編)」について記しましたが、チーム診断について、興味を持って頂けましたでしょうか。
しかし、一体どのような診断ツールを活用すれば、よりチーム実態を正確に把握し、活性化に繋げることができるのでしょうか。
今回は、そのような疑問をお持ちの皆様に、どのような診断を実施したら良いのかについて、紹介していきます。

 

まずは、私自身が過去に数多くの診断分析を行ったり、診断結果を拝見したりした経験から、
実態を把握しづらく、チーム活性化に向けて、あまり効果的でないと感じた診断の特徴を記していきます。

  1. 意図的すぎる質問構成
    実施する前から問題を絞り込み、予定調和の結果を求め、想定している問題を浮き彫りにするために作成した質問で構成されている診断です。
    多面的な視点からチーム実態を把握することができません。
  2. 恣意的な質問の羅列
    組織内で質問を作成する場合に散見されるのですが、活性化に関するモデルや仮説がなく、聞きたいことを数多く洗い出した質問で構成されている診断です。
    質問数は多くなりがちで、同じようなことを違う表現で質問していたり、聞きたいことが質問として抜けていたりし、診断実施後に必要十分な情報が取れていないことに気づきます。
    また、一文一義になっていない場合、回答者も判断に迷い、正確な情報を把握出来ません(「私は職場での目標を理解し、納得している」では、目標を理解しているのか、納得しているのかの判断がしづらくなるなど)。
  3. 検証のない質問文
    十分なサンプル調査もせず、質問文を検証していない診断です。
    質問の中には、高い点数や低い点数が出やすい質問があります(「自分の役割を理解している」「特定の人に負荷がかかっている」「評価に納得している」など)。
    平均点のみを算出し、診断結果として活用する場合、本来は、何度もサンプル調査を行い、回答傾向が正規分布となるように質問文を修正することが必要となります。
    しかし、検証していない質問文による診断結果では、例えば、尺度が5点満点で診断結果が3.1点と3.7点と出た場合、「3.1点の項目の点数が低いから、3.7点の項目より問題である」とは言い切れないのではないでしょうか。
    診断結果の解釈を誤って読み込むため、問題の定義がずれてしまう可能性が高くなってしまいます。
  4. 比較のない診断結果
    前述した検証のない質問文を活用する場合には、回答点数の水準が分からないと、診断結果の良し悪しを判断できなくなります(例えば、3.7点の点数だけを示されても比較がないと、良さ加減や悪さ加減が分かりません)。
    また、自組織内比較だけでは、自組織の点数水準が他組織と比較し、高いのか低いのかが分からないため、ベンチマークとして十分とは言えません。
    ある組織のマネジャーが「組織診断を行った報告会の時に、私の職場の診断結果は良かったのですが『問題意識が低い職場』と言われたのです。
    点数が低かった職場のマネジャーには『問題だらけの職場』と報告していた。点数が良すぎると問題意識が低いと言われ、点数が悪いと問題と言うのであれば、あの診断では、一体何が正解の回答なのでしょうか。我々はどこを目指して、どのように改善したら良いのか全く分からず混乱しましたよ」とおっしゃっていました。
  5. 定量分析のみの診断、定性分析のみの診断
    定量分析のみの診断では、診断結果の背景にある要因や問題構造を掴みづらいため、診断結果を基にしたインタビューなどが必要になります。
    また、定性分析のみの診断では、メンバーの関心事に偏った問題抽出となりがちです。誇張された表現に目がとまり、問題抽出する際に、判断が歪んでしまいがちです。故に定量分析と定性分析の両方のデータがある診断が望ましいです。
  6. 診断実施から、結果が出るまでの期間が長い診断
    実施から結果がフィードバックされるまでの期間は短ければ短い方が、チーム状況の変化が少なく、且つ、診断を実施したときのチーム状況も詳細に覚えています。
    診断実施から2~3ヶ月しないと結果がフィードバックされない診断では、チーム状況も変化したり、変革に向けてメンバーの機運も下がったりする可能性を高め、診断結果を効果的に活かしきれなくなります。

過去、組織診断分析を専門に行っていた時、様々な診断を数多く拝見しました。上述の要件について、全て解消できている組織(企業単位)診断は非常に少なく、チーム(職場や部署などの単位)診断に至っては、要件を解消できている診断は、皆無でした。
そもそも、チーム診断自体が少なく、組織診断結果からチーム(職場)単位の傾向を抽出し、チーム診断(職場診断)と謳っているものもありました。質問も組織診断と同じ質問を用いていました(質問文の主語が「我々の組織では」など)。

 

私が初めて、6seconds社の『TVS(チームバイタルサイン)診断』を知った時は、6つの要件をほぼ網羅しており「凄く良くできていて、何て完成度の高いチーム診断なのだ!」と衝撃を受けました。

 

バイタルサインとは「生命維持に必要な徴候」という意味で、医療分野では、『血圧、脈拍、呼吸、体温、意識レベル』の5つのバイタルサインを測定し、命の危機が迫っているのかを判断する情報として活用しています。
チーム運営の表層的なルールや仕組みそのものではなく、運営の核となる風土を測定できる診断として「チームが活性化している(生きている)のか判断できる情報を得られる」との意味を込め『チームバイタルサイン診断(以下TVS)』と命名したそうです。

 

TVS診断の特徴は、以下の通りです。

  1. 全世界の好業績チームを分析し、好業績チームが有している要素をモデル化
    2001年から5年間かけ、6seconds社の専門チームが、好業績を上げている組織・チーム・リーダーに共通して有している要素を絞り込むために、膨大なデータをグローバルに収集しました。その結果、好業績チームやリーダーは2つの軸でバランスが取れていることを発見し、バランスド・スコアカードの概念を参考に、4つの成果領域(長期、短期、個人とチーム)と成果を生み出すための5つの要因(チームワーク、モチベーション、変化対応、実行・実践、信頼)を組み合わせたモデルを構築しました。

    バイタルサインの図
  2. 精緻に検証し絞り込んだ47の質問文
    4つの成果領域と5つの成功要因を測定するために、統計分析を繰り返し、少ない質問でモレやダブリがなく、チーム活動の実態を掴むことができる47問の質問を設定しました。
  3. 平均値ではなく、偏差値換算した診断結果
    5段階尺度法による評価を行い、質問に回答して頂きますが、診断結果は、偏差値換算し、算出しています。そのため、質問文による回答傾向の偏りを是正でき、良さ加減、悪さ加減を正確に掴むことができます。
    また、回答のバラツキを把握するため、質問分野、質問文ともに、標準偏差を算出しています。
  4. ベンチマーク先は、全世界のチームが対象
    ベンチマーク先となる比較対象の母集団は、全世界のチームです。そのため、グローバル水準で、チームの活性化度合いを把握することができます。
    また質問文や診断報告書は、日本語含め、9カ国語での対応も完備しています。
  5. 定量分析だけでなく、自由記入欄を設けた定性分析も標準完備
    チーム活動の実態を多面的に把握するために、自由記入欄を設けています。チームビルディングでも活用できる「新たに取り込んで欲しいこと」「続けて欲しいこと」「やめて欲しいこと」「その他」の4つの自由記入欄を用意しています。
  6. アウトプットまでの期間は即日
    24ページにわたる診断報告書を自動的に生成し、設定した締め切り後、約3時間以内に報告書が出来上がります。

上述の通り、診断実施の効果は非常に大きく、取り組む価値がある有用な介入方法です。

 

TVS診断の特徴をご理解頂けましたでしょうか。

どのような診断でチームを把握しようかと悩まれたら、TVS診断をお勧めします。
対象者は最小4名から最大100名まで実施できます。
一度診断を実施し、チームのバイタルサインを掴んでみませんか。

 

次回は、チーム診断を実施した後のフィードバック方法「チーム診断を用いた介入(フィードバック編)」について紹介していきます。

 

Six Seconds Japan 組織活性化研究センター フェロー
山本 憲幸

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