EQコミュニティマガジン

グローバル人材とEQ

Vol.019 2014年2月4日発行

6seconds Knowledge Magazine|Vol.019||

ソチオリンピック開催まであと3日。

「いままででの冬季五輪の中でも、最強が揃った」と言われている日本選手団。
選手たちの活躍が今からとても楽しみです。

野球、サッカー、スキー… 活躍するフィールドを
海の向こうに求める日本人選手が多くなりました。

自らの意思と実力を評価され、新天地へ臨む姿には、
「希望」「可能性」「挑戦」こんな文字が浮かびます。

会見インタビューで流暢に英語を話す選手も増えてきました。

ACミラン移籍会見で海外メディアのインタビューに、
英語で堂々と応える本田選手に感心した方も多いのではないでしょうか。

海外で活躍する日本人選手は、グローバル人材のモデルケースの1つとも言えます。

昨年以上に、目に飛び込んでくる「グローバル人材」の文字

グローバル人材に必要なことは何でしょう。

先月放送された、NHKの番組「ニュース深読み」で
グローバル人材について解説をしていました。

そこでフリップに示されたグローバル人材像のキーワードは6つ。

【1】幅広い教養
【2】夢
【3】リーダーシップ
【4】発見・解決力
【5】志
【6】語学力

この6つは、今後の日本の大学入試改革の
キーワードにもなると番組で伝えられていました。

たしかに、どれも必要な要素だと思います。

たとえば「語学力」は、言葉を通じて意思疎通をはかるツールとしては外せません。
(課題)発見・解決力、リーダーシップは協働していくためには必要不可欠でしょう。

その中で目をとめたのは「志」です。

これからの日本を背負って立つ若者たちが、「志」をどのように見つけ、
育み、実現させていくのか。
より高い教育を受けようとする学生の「志」をどのように示すのか。
とても興味のあるところです。

あらためて、なぜ、グローバルに活躍する人材に「志」が必要なのか。
そんなことを考えていたら、こんな場面を思い出しました。

1997年まで、私はロサンゼルスで50人あまりの部下のマネージャーとして
働いていました。当然日本人の部下ではありません。

当時の職場(航空会社の予約センター)は、就業中は英語ですが、
仕事が終わればたちまち7か国11言語が飛び交う社交場に早変わりです。
西海岸の雰囲気も手伝ってか、職場はいつもフレンドシップを
感じられるものでした。

ある日、プエルトリコ人の女性社員が私に相談に来ました。

「主人が入院して、看病のために1ヶ月の休みが欲しい」と。

日頃から、ご主人の話題を口にしては、仲むつまじい様子を聞いていた
私はとても気の毒に感じました。

しかし、次の彼女の言葉に、私はどのように対処すべきか悩むことになります。

「1ヶ月の休みは、有休休暇にしてほしい」

この時のケースでは、休暇中は無給と就業規則に定められていました。
彼女の相談への答えの選択は「NO」しかありません・・・

しかし、仕事が終わると「ダーリンが待っているから、また明日ね!」
いつも陽気な彼女のふさぎ込む姿に、“どうにかしてあげたい”という気持ちも、
私の中にはありました。

当時、マネージャーとして、私はいつも2つのことを心掛けていました。

1つは、「ファミリーな雰囲気の職場づくり」
もう1つは、「ヒューマンな関係づくり」です。
これは、今も変わらず心掛けていることです。

特に、「ヒューマンな関係作り」には力点を置いていました。

海外駐在員として日本から赴任した私は、部下から見れば外国人です。

日本の本社から来たマネージャー。

最初は好奇な目でみられもしました。ポジションで統率することも可能でしょう。
しかし、私はそれを選びませんでした。

人種の異なる人たちと共に働き、ゴールを目指すには、
早く「タナベ ヤスヒロ」という人物を知ってもらうこと、
受け入れてもらうことだと思ったからです。

その為には、私はあらためてパーソナルな自分を棚卸ししました。
まずは“日本人らしさ”を意識して接してみることから始めてみたのです。

私の思う“日本人らしさ”は
「親身になれる」「丁寧な対応ができる」という
ヒューマンな関係作りができるということです。

勤務時には、アメリカやヨーロッパのお客様から日本の旅の思い出を伺います。

「温かいサービス」「気配り」まさに「おもてなし」に感激して、
日本を好きになってくださるお客様。振り返れば、
その感激にさらに応えたいという思いが私の大切にするもの(価値)となり、
部下と接する際のヒントにもなりました。

ヒューマンな関係作りは、私の根底で、いつしか“人間味あふれるタナベ”
“世界のどこへ行っても誰に対しても同じように接する自分でありたい”という、
私自身の志・生き様となっていきました。

それは今も変わらず私の中に流れています。

世界をフィールドにグローバルに活躍する際に必要なこと、
私の経験から言えるのは「意思決定する際に寄って立つものは、
自分の強い思いである」ということです。

25年近い海外赴任時代には、会社の規則やマニュアルにはないことが、
山ほどありました。

その都度に、「自分は何を、どうしたいのか」
「どうすることが、相手にも自分にもふさわしいことなのか」
「なぜ、この決定をするのか」。

これまでの知識、経験、思いを総動員して方向性を探ります。
まさに自問自答の連続でした。

この自問自答の繰り返しは、容易に答えの出ることが少なかったですが、
自分らしさの追求に磨きをかけてくれました。

自分らしさの追求があってこそ、志・生き様を、
自分の中から導きだせると思うのです。

私が、EQ(感情知能)実践を日本に普及させると心に決めた理由は
自問自答を繰り返す時、自分の「思考」と「感情」を研ぎ澄ますことで、
意味のある言動や行動を導き、方向性を探り、選択してきたからです。

感情から沸き起こるエネルギーは、私の熱となり勇気をもたらし
思考は行く手への道しるべとなり、私の光となって方向性を示します。
「人生や仕事に成長感や意味を見出し自立した人材となるためにEQ発揮は必要だ」
シックスセカンズとシックスセカンズEQ実践モデルに巡り合えたことで、
私の中で確信となりました。

意思決定の際に「感情」と「思考」を融合させ、
ふさわしい行動を選択する知能がEQであり、
モデルでうたう8つのEQコンピテンシーは
自分らしさへの実践を支援するものだということを。

グローバルなフィールドで出会う人は
自分とは異なる視点、考え、感じ方、生活習慣、まさに多様な人々です。

多様な人々と、新たな機会を創出していくことが
これからの日本が必要とするグローバル人材ではないかと、私は思います。

多様な相手と向き合い、自分の思いや考えを伝えるとき
自分の「思考」と「感情」を研ぎ澄ますし、
相手にとっても自分にとっても意味のある言動や行動を選択する。
それは互いを活かすことに繋がります。

私の部下は、「有給休暇」を取得してご主人の看病とはなりませんでした。
しかし私が彼女のためにあらゆる方面に掛け合い、
奔走したことの努力は認めてくれたため、
ご主人の退院後には、また笑顔で職場に戻ってきてくれました。

グローバルに活躍する人材が発揮して欲しい要素、
能力に「EQ」だと伝えたいのは私のこんな経験があるからです。

シックスセカンズジャパン 田辺 康広

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