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会社には用意できない”魅力”を磨く|#EQリーダーシップ 第3話

2018年8月16日 | 

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6月より連載の始まった、代表田辺によるEQリーダーシップ・シリーズです。
ご好評いただきありがとうございます。

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EQリーダーシップ・シリーズ第2話「”魅力的なリーダー”となるための3つの要素」で、

”すごい!この人のようになりたい”と思わせるものを持っている (望ましさ)
”けっこう、自分と一緒じゃない。”と身近に感じさせる (親近感)
”活動的、タフ、少々なことではへこたれなそうな人ですね”と感じさせる (外見)

といった要素をはらんでいたのではないか。また、

できるリーダーは
(1)強制力
(2)報酬力
(3)魅力

を備えており、
(1)(2)はリーダー昇格時に組織(会社)側で用意できるが(3)魅力だけは組織(会社)が用意できないため、ご自身で用意しないといけない

という話をしました。
それでは「魅力」の3要素を磨いていくにはどうしたら良いか。
今日は「望ましさ」についてお話していきましょう。

 

1. PP 対 PP

米国で仕事をし始めた時にプライベートでつきあっているマネジャー仲間(他社)の1人から ”Which PP do you use for your management?”「君は部下をどちらのPPで管理しているのだ」と訊かれた時がありました。

“ん、PP!?” ”何?”

まったく持って内容を想像できなかった。いつもは物知り顔が得意な自分が、その人物に、恐る恐る、PPとはいったいどのような意味なのか訊いてみました。

答えは・・・、「ポジションパワー(権威による管理)とパーソナルパワー(魅力による管理)の意味だよ!」

”なるほど・・・”と思っていたら、続けざまに次のようなことを言われました。

“The great managers are using both PP and PP effectively..”
「優れた管理職は両方のPPを効果的に使っているのだよ。」

詳細なやり取りは省略しますが、話が進む中で物騒な話まで聞かせてくれました。

「ベトナム戦争時の話なのだが、戦死した上官の半数以上は的に打たれたのではなく後ろから味方に打たれているんだよ。打たれた上官はたいがいポジションパワーで部下を動かしていた連中なんだ。」

 

2. 魅力による管理

その日から、「魅力による管理」が頭から離れなくなりました。

社会人になってからいろいろなビジネスシーンでリーダーに出会うと「なぜリーダーになれたのですか?」と訊いてきたことを改めて振り返ってみました。
一番多い答えは「わからない」でしたが、そう答えてくれた人たちは若造の自分に対してもオープンで親しみやすく、それでいて学びたいと思わせるものをたくさん持っていました。

対人魅力についてあれこれ調べていくうちに、「リーダーとして魅力的と感じさせるポイントは以下の3つでいいのではないか」という考えにいたりました。

フォロワーに”望ましさ”を感じさせる (相補性)
フォロワーに”親近感”をいだかせる (熟知性、類似性、返報性)
フォロワーに外見上、”タフ”(この場合、!厳しそう”という意味ではなく、”簡単にはへこたれなそう”という意味)そうだという印象を持たせる (身体的魅力)

の3つです。

これまで実施してきているEQリーダーシップ研修「出来るリーダーは部下の感情を動かす」の冒頭でも、アイスブレイク的に次のような説明から開始することが多いです。

「皆様がリーダーとして成果を上げていくためには、ポジションパワーにばかり頼るのではなく、パーソナルパワーを活用する、すなわち”魅力による管理”を目指しましょう。そのためには・・・」と。

 

3. フォロワーに「望ましさ」を感じさせる (相補性)

「望ましさ」とは、フォロワーたちが現在の自分には無いが、もし自分も持っていたらいいな、なれたらいいなという感覚です。感情語で表現すると「憧憬」「羨望」となるのではないかと考えます。言葉を変えると、フォロワーたちの成長欲求に対する心理モデルとなります。フォロワーたちの「あすなろ」感覚を生むドライバーです。モデリング学習への動機です。

フォロワーたちに「望ましさ」を感じさせるためには、まず自分自身がリーダーとしての自己理解や自己受容をすることが大切となります。とくに出来るリーダーとなるためには、フォロワーたちに”真似をしたい”とおもわせる「強み、特徴、特性」を探索し、そして素直に受け入れることです。研修では探索のために、フォロワーの感情を動かすためにも感情や感情知能(EQ)についての理解を深めます。そして、EQ検査「SEI:シックスセカンズ・エモーショナル・インテリジェンス・テスト)の結果を確認することで、どのEQコンピテンシーが強みとなるのかを確認する時間を作っています。受検者の多くが、フォロワーに真似て欲しい自分の強みを発見します。

例えば、

ある人は「どんな状況においても展望を捨てない」という強み(楽観性の発揮)
ある人は「物事の本質を見極めることに傾注できる」という強み(感情リテラシー)
ある人は「自分の思考や行動の習慣や性癖を熟知しいるため不用意な行動には出ない」という強み(自己パターンの認識)

などを発見します。

そして、現場において大いに「望ましさ」として発揮いただくようエンカレッジします。
お読みの皆様にはどのようなEQコンピテンシーが強みとして現れるのでしょうね。

次回も楽しみにお待ちください。

シックスセカンズジャパン株式会社
代表 田辺 康広(たなべ やすひろ)


 

本シリーズはこちらから全話お読み頂けます。