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私がEQを伝える理由 ~亡き祖父から受け継いだもの~

by : 6SJ データ分析センターフェロー 三森 朋宏  | 

2018年3月15日 | 

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シックスセカンズジャパン データ分析センターフェローの三森です。

今、私は3年前に他界した祖父との思い出の地(山形県鶴岡市)で、当時に思いを馳せこの原稿を書いています。
私の中には尊敬する祖父のDNAが間違いなく受け継がれいると感じる瞬間があります。
それは、当時はよく解らなかったけれど、祖父と暮らした学生時代の5年間に教わったことを誰から言われるでもなく今実践し、証明しようとしています。

祖父は、石英ガラスという特殊ガラスを製造する会社の役員をしており、その祖父から社会人や仕事において大切だと思うことを学生の頃よく聞かされていました。

当時、祖父は「仕事脳」という話をよくしていました。

例えば東大を出ても会社で全く役に立たないものがいる。一方、高専を出たものが高い業績を出し会社に貢献する。学問が出来ることと仕事ができることは別で、仕事ができる人特有の「仕事脳」というのがあるのではないかと祖父は言っていました。

今になって思えば、この「仕事脳」が脳裏にあったことがEQに私が傾注した理由かもしれません。
EQの高さとビジネスにおける業績には相関が認められ、IQとは相関が認められないということから、学問ができる=IQだとすれば、祖父の言う「仕事脳」はまさにEQのことだと確信めいたことを感じています(残念ながら、もう祖父と語り合い、確認することは叶いませんが)。

また、祖父が会社の役員を務めていた時の話にEQが成果を生むことを象徴するエピソードがあります。

祖父が勤めていた会社は、製造工場を持っており、工場で働く従業員は、会社が用意したバスで通勤していました。
急成長により従業員は増え続け、当時、労働組合は、バスが小さく通勤だけで疲れてしまうことからバスの買い換えを会社に要求していました。その頃、会社では新しい生産ライン(機械)の導入を検討していたといいます。
労使交渉において多くの役員がバスの買い換えに反対し、生産ラインの導入に賛成していたところ、当時常務取締役だった祖父は、生産ライン(機械)導入で見込んでいる生産を労働力によって達成することを条件にバスの買い換えを提案し、労働組合側はこれを受け入れたそうです。
結果は、見込み以上の成果を出し、バスの買い換えは当時数百万、生産ラインは数千万の投資だったといいますから、投資対効果は相当大きかったことになります。

祖父は、私にこう言いました「会社は人なり」と。

 

こうして祖父から受け継いだことを紡いでいくと

Emotions drive People, People drive Performance
~感情が人を動かし、人が成果を生む~

まさにSix Secondsが唱え、私が強く共感する理念がそこにあったのです。

大切なことは、今も昔も何一つ変わりなく、世代が変わっても常に受け継がれていきます。
本当に大切なことは普遍だということではないでしょうか。
そんな祖父は、2014年に他界しました。

祖父は目が見えなくなり、耳も遠く、痛みと戦いながら、何度となく繰り返し私にこう言いました
「朋宏 頼んだぞ」
その言葉の意味をいま噛み締めています。

祖父から受け継いだもの、それが、私にとってのEQの実践です。
EQの大切さをこれからも一人でも多くの方に伝えていきたいと強く思っています。

今間朋春を偲んで

乱文にて失礼しました。最後までお読み頂きありがとうございました。
次回は、EQのデータから見えてくる今の日本の課題に関してお届けしたいと思います。

シックスセカンズジャパン データ分析センターフェロー
三森 朋宏