2020年に寄せて
by : 6SJ代表 田辺 康広 |
2020年1月7日 |
皆様、新年あけましておめでとうございます。
令和元年が終わり、多くの皆様の関心は一気に東京オリンピックへと動いているのではないでしょうか。思うに、私は1955年生まれなので前回の東京オリンピックの時には9歳(小学3年生)です。当時の記憶は定かで、なぜなら、家にカラーテレビがやってきて、ご近所さんも含め大勢で見た、という非日常の毎日であったからです。鮮やかな赤のブレザーをまとった日本選手団に小学3年生の私も 何か誇らしい気持ちで観ていました。また、柔道の重量級の試合で神永選手を破ったヘーシンク選手の大きさと上手さに驚いたり、バレーボールにおいて強敵ソビエト連邦チームと威風堂々、正々堂々と戦う河西キャプテンを誇らしげに思ったものでした。
EQ4.0の時代へ
オリンピックイヤーの一方で2020年はEQ理論にとっては4回目のdecade(10年)の初年となります。EQは1990年に論文の発表がありました。私は今をEQ4.0と名付けたいと考えています。
EQ1.0は、理論提唱者があらためてサロベイ・メイヤーモデルを確立させ、一方でEQの普及に貢献したゴールマンがEIではなく、EQコンピテンシーモデルとして4つの領域を定義しなおした1997年を含む1999年まで。ちなみにSix Seconds米国本部は1997年に設立しました。
EQ2.0は、2000年から2009年まで。1999年にジョンソン&ジョンソン社でのEQと管理者業績(パフォーマンス)の関連調査で「業績はIQよりもむしろEQに相関が見られる」という発表され、そこからにわかにGDP上位国において、ビジネス分野を中心とした人材育成のテーマとなっていきました。Six Seconds米国本部は2005年にEQ実践モデルと測定検査を作成し、それをもとにグローバルネットワークを形成し始めます。
EQ3.0は2010年から2019年。サロベイやメイヤー、ゴールマンなどの発信は減ったものの、幸福度やマインドフルネスとEQの深い関係、GDP中間国での児童・生徒の教育目標などが掲げられるようになります。なによりインパクトが大きかったのは世界経済フォーラムにおいて2020年に求められるスキルにEI(EQ)が入ったことです 。
そしてEQ4.0は2020年からの10年間となると予想しています。どんな10年間となるのでしょう。ぜひ、EQ4.0の社会については、また別の機会でみなさまと討議していきたいと考えています。
ソサイエティ5.0
狩猟社会(1.0)、農業社会(2.0)、工業社会(3.0)、 情報社会(4.0)と社会の変革を経験し、いよいよソサイエティ5.0の世界に突入していると政府は標榜しています。ソサイエティ5.0は「超メディア社会」「IoT社会」などと称されることが多く、ソサイエティ5.0の基本構造を支える一つとしてAI(人工知能)の活用が注目されています。日本の仕事の半数がAIに置き換えられるなどとセンセーショナル なニュースが目につきますが、大事なことはヒトがすべきこと、ヒト以外がしたほうがよいこと、ヒトとAIが共存して遂行したほうがよいことなど、まだまだ整理が必要であると考えます。そして大事な視点は兵器と同様、どのような使用(活用) 基準を設けるかでしょう。政府は2019年3月に「人間中心のAI社会原則」を公表しました。規制や拘束力を持つものではありませんが、人材育成や教育に携わる者としては注目すべきものです。既成概念を乗り越えたICTテクノロジーの活用推進には開発者のみならず受益者もその未来に対する「ワクワクする感情」が欠かせません。 加えて社会正義に対する「共感力」もまた欠かせない。ソサイエティ5.0はそこに生きるすべての人々のEQが問われる社会となるかもしれません。
シックスセカンズジャパンは10歳となる
今年の11月でシックスセカンズジャパン株式会社は創立10周年を迎えます。おかげさまで、皆様のご支援のもとEQ3.0の時代を乗り越えてきた感があります。たくさんの皆様に、EQ実践者のモデルであるEQプラクティショナー、EQ診断を通して自らのEQコンピテンシーをどのように日常活用したらよいか相談者と共に考えるEQアセッサー、 制度ではなく風土を醸成する組織感情を整える組織風土VSコンサルタント、となっていただきました。
また認定者の数は延べ300名ほどとなり、全国各地でEQを伝えるEQチェンジエージェントも年々増えております。ビジネスパートナーである廣済堂様と協業させていただきベトナム市場へEQを普及させることもできました。
次の10年はビジネス分野に加え、ダニエル・ゴールマン著「EQ こころの知能指数」でも紹介された「セルフサイエンス」 カリキュラムをベースに、児童・生徒を対象とした教育分野に展開していきたいと考えています。セルフサイエンスの根本教育哲学は「自分に関する情報は酸いも甘いも受け止める姿勢を持つ」「人は感情で動く。だから感情の有用性、重要性を理解する」 です。
世界で認められた「セルフサイエンス」をEQ4.0の時代に、ソサイエティ5.0の時代に、どのように展開していくか。私をはじめ関係者はみなワクワクしています。
今年1年が、皆様にとって実り多い1年となりますように。
シックスセカンズジャパン代表
田辺 康広
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