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EQ x 子育て、10のヒント

by : Six Seconds Director, Parent Education, May Duong  | 

2019年7月18日 | 

子育てはこの宇宙で最もタフな仕事です。こんなことは他にありません。トレーニング期間なんてものはほとんどなく、急激な学習曲線に、何度も繰り返す失敗、過酷なまでに時間も費やします。
親として成功するためには、信頼関係を築くことが不可欠です。子育てのタフなジレンマを乗り越えるのに、EQはどのように役立つでしょう。私たち自身がまず自分の感情を信頼し、感情について責任を取り、信頼と期待のバランスをとることができれば、子供たちと私たち自身のための健全な関係の基盤を築くことができます。

親として子どもたちとの間に信頼関係を築くための、
EQ x 子育て、10のヒントをお届けします。
 

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parenting

米国本部が発表している2017年8月22日「Ten Emotionally Intelligent Ways to Build Trust as a Parent」の日本語翻訳です。
画像をクリックすると米国本部の原文記事をお読みいただけます

とある猛暑の土曜日の午後、私は2人の息子たちが水遊びするのを見ながら、プールサイドに座っていました。ふと、ピンク色の水着を来た女の子が、何度も何度もプールの縁から飛び込んでいるのに気付きました。お父さんがキャッチする準備をして、女の子は嬉しそうにキャッキャと叫んでいます。次の瞬間、構えていたお父さんを越えて飛んでいき、お父さんは一瞬パニックな表情を浮かべつつダッシュして、ギリギリでキャッチが間に合いました。女の子がひたすらピュアな笑顔を見せる一方で、お父さんは恐怖と安堵といった表情でした。

そんな場面を見ていて、子育てで信頼を築くことが何を意味するのか、考えるようになりました。信頼は子育てにとって非常に重要な要素です。あまりに基本的なことで言葉にしたり定義をするのは難しいほどです。何が、この小さな女の子を「お父さんは絶対に信頼できるし、きっと正しいことをしてくれる」と信じさせたのでしょう?

感情知能EQは、親子が信頼関係を築く上でどのように役立つでしょう?誰もが知っているように、信頼は、生まれてすぐ、乳児期から続く親子間の一連のポジティブなやりとりを通して生まれます。親子関係の中で生み出された信頼は、他の様々なシチュエーションにも応用ができ、他者と関係を築く能力に生涯にわたる影響を及ぼします。

 

自分自身の感情を信頼する

子どもが幼いと、感情(子どもの感情も、私たちの感情も)というのは、大きく立ちはだかります。時に、大きな感情は破壊的で、邪魔になることさえあります。親は、限られた時間の中でたくさんのタスクをこなさなければならないストレスに見舞われがちです。そのため、子どもたちが癇癪を起こして、何もお願いを聞いてくれなくなると、感情に対応する時間なんてなく、賄賂(~したらお菓子を買ってあげるよ)や、恐怖(~しないならもうご飯作らないよ)や、気晴らし(よし、それじゃぁ今度は~をして遊ぼう!)でやり過ごすこともしばしばです。ですが、子どもたちとの信頼関係を築くには、私たちは、「子どもたちが持つ感情が、自分から自分へ送っているメッセージだ」ということを伝えられると良いでしょう。その第一歩は、彼らの感情リテラシー(感情の読み書き能力)を高めることです。


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3つ目のヒントについて、ニューロサイエンス(脳神経科学)では、私たちが子どもたちの感情を中立的な立場で表現するとき、彼らは感情の波の中から一度抜け出し一時停止の余地を得ることができ、この気持ちを持っている自分は悪くないんだ、受け入れてもらえるんだ、と感じることができます。その間、彼らの扁桃体はクールダウンでき、一緒に問題解決に向かうことができます。

 

感情について責任を取る

その後、プールにいた小さな女の子は、プールから上がろうとして壁に膝をぶつけました。彼女は泣いていましたが、お父さんはすぐに助けには来ず、その代わりに、きっと登れる!と励まし続けました。泣き続けながらチャレンジを続けた女の子はついにプールから上がることに成功!この時女の子は、悪い状況から自分で抜け出すことができた、ということを体験し、自分の問題を自分で解決できるのだ、ということを知りました。このことを通じて、小さな女の子は自分自身を信頼することを学んでいるのです。
私たちが子どもたちに、自分自身の感情は自分のものだ、自分で責任を取るものだ、と伝えられたときに、私たちは信頼関係の基盤を築いています。感情についての責任とは、私たち一人ひとりがどのように感じ、どのように私たちの感情を取り扱うのかについて、自分自身に責任があるという考えです。


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信頼と期待のバランスを取る

ある日、17歳のウィリアムが、友達と一緒に映画を見に行っても良いか、父親に尋ねました。父親は最初ノーと言いましたが、数時間後、本当に行きたいなら行っても良い、自分で決めなさい、と言われました。ウィリアムは、本当に自分で決めていいとは、完全には思えていません。過去の経験から、自分で決めていいよ、と言われるとき、父親を安心させるような「正しい」答えと、彼を怒らせる「間違った」答えがあると思っています。そして結局、映画を見に行くと伝えると、父親は「そうか、残念だよ」と言ったのでした。


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7つ目については、考え得るどんな選択も、自分にとって受け入れられるものであるときに、子どもたちに決めさせてあげましょう。子どもの決定にうろたえたり、ウィリアムの父親の様に、決めていいよと言ったのに文句を言えば子どもたちとの信頼関係はまるで築けません。子どもたちのし得る決定の全ての選択肢に対して親として心の準備ができないうちは、選択を制限しておきましょう。

8つ目について。思春期のうちは、前頭前皮質が未発達であるが故に結果を見据えた思考が十分に機能するとは言えません。そのため、私たちが共感力を活用して、結果を見据えた思考を手助けする必要があります。結果を見据えた思考とは、意志決定プロセスにおいて、長所と短所、長期と短期、自己と他者、といった比較検討するという概念のことです。強固な信頼関係の基盤を築くことは、境界と自由、期待と容認とのバランスを取ることにあります。

9つ目。おそらく、子どもが逆境を乗り越えるのを助ける、というのは親として最も難しいことの1つです。ほとんどの親が、自然な本能で「子どもに道を譲る」または「子どもが転倒するのを防ぐ」ことを選択肢します。ですが、間違いを防ぎ、痛みを和らげようと焦るとき、子どもたちから「自分の問題を自分で解決することによって、自分自身を信頼できるようになる」ことを学ぶ、最も効果的な方法の1つを奪ってしまうことになります。また同時に、信頼していないというメッセージにもなり得ます。

そして最後。子育ての旅は、決して平坦ではありません。多くの浮き沈みと、新しく出くわす数々の状況に、途方に暮れることもあるでしょう。トリッキーな育児のあれこれに対処するためのベストな方法の1つが、子どもをどうこうすることではなく、自分自身の感情をナビゲートすることです。不安を感じ始めたときには、少し時間を置き、深呼吸をして、自分が一体何を感じているのか、ゆっくりと認識してください。それから、ヒント2・3に戻り、感情をラベル付けしてゆっくりと観察してみましょう。感情を認識し、ナビゲートできるようになるほど、自己パターンが見えてくるかもしれません。ある状況に対する自己パターンが見えてくると、それが家族にとって生産的かどうか、判断できるようになります。

子どもたちが自分の感情について学び、自分の感情を見つめると、子どもたちは自分の感情を信頼し始めます。私たちが自分の感情や自分の欠点について誠実であれば、信頼の基盤を築けるような子どもたちとのコミュニケーションへの道が開かれます。この信頼から、自分自身への信頼、他者への信頼、ニーズが満たされることへの信頼、自分たちの世界は自分で影響をもたらすことができるのだという信頼などなど、生涯に渡る心の信頼の基盤が生まれていきます。
ここでご紹介した10のヒントを実践していくことで、親としての信頼を築いていくことが、子どもにとっても、自分自身にとっても、生涯を通じた贈り物となっていくことでしょう!

 

Six Seconds, Director, Parent Education, May Duong
訳者:COLORES 廻田彩夏

 

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