EQをさらに深めるにはー学びを広げる相互学習という選択
by : 一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート|中村 悟 |
2025年11月28日 |
EQPC, EQを実践する, マインドフルネス, 共感力の活用, 内発的なモチベーション, 感情マネジメント, 感情リテラシー, 自己パターンの認識
EQを実生活や仕事でどう活かすか悩んでいませんか? Google発SIYとEQPCを組み合わせた相互学習で、理論と体験が結びつく「使えるEQ」へ。2つの学びの相乗効果をお届けします。
※この記事は、シックスセカンズ認定資格者として活躍するパートナーの皆様による、実践事例やEQ活用のヒントを紹介する記事です。

私たちが感情に振り回されず、他者と健やかな関係を築き、納得のいく選択をするために欠かせない力、それが「感情知能(EQ)」です。近年、EQの学びの場は徐々に増えてきましたが、もう一歩深く学んでみたい、実生活や仕事でどう活かせるの?と感じている方も多いのではないでしょうか。
そんな方にご提案したいのが「学びを広げる相互学習という選択」です。
私は2014年にサーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)を学び、2025年EQプラクティショナー(EQPC)の国際資格も修了しました。本コラムでは、私自身が学んできた2つのEQプログラム—EQPCとSIYについて、それぞれの魅力や学びの相乗効果などをご紹介いたします。
EQPCとSIY、それぞれの魅力
まず、2つのプログラムについて、簡単にご紹介いたしましょう。
EQPCは、シックスセカンズジャパンが提供する国際認定プログラム。EQの理論と実践を体系的に学べる内容で、企業や教育、対人支援など、さまざまな現場で「人のポジティブな変化をサポートする力」を育ててくれます。
一方のSIYは、Googleで開発されたリーダー向けのEQトレーニング。マインドフルネス・神経科学・EQが融合された実践型プログラムで、自己認識や自己管理、共感、リーダーシップを深めることができます。
両者に共通する魅力として、主に3つのポイントが挙げられます。
・世界標準で展開されていること
・脳科学や心理学などのエビデンスに基づいていること
・仕事や日常生活に応用しやすい、実践的な内容であること
また、それぞれにユニークな強みもあります。
・EQPC:フィロソフィーや診断ツール(SEIなど)を活用し、思考や行動を言語化・可視化するのが得意。
・SIY:マインドフルネス実践ワークや対話を通じて、自分の内側と丁寧に向き合える内容が豊富です。
10年以上前にSIYを学んで以降、日々実践を続けていましたが、「そもそもEQについて、もっと深めたい」という想いがわきおこり、たどり着いたのがEQPCでした。
両プログラムを受講したからこそ気づいたのは、異なるアプローチを知るからこそ得られる学びの広がりと、違いを知ることで補完し合いやすくなるということでした。
相互学習が生み出す相乗効果と可能性
次に、それぞれのプログラムを学んで得たベネフィットを、3つにまとめてみました。もちろん、どちらか一方でも深い学びになりますが、2つが合わさると、まるでパズルのピースがぴたりと合うような感覚を得ることができます。
EQPCではEQモデルや各コンピテンシーの理論的理解を深め、SIYではマインドフルネスの実践ワークを体験し対話を通じて、感情や身体感覚に気づく力を養います。理解と体験がそろうことで、「知っている」だけでなく「感じている」「活用できる」EQが育っていきます。
たとえば、ある会議の場で自分の意見が通らなかったとき、以前なら苛立ちや無力感に引きずられていたかもしれません。でも、呼吸に意識を向け、感情を一歩引いて観察することで冷静さを保ち、建設的な対話につなげることができました。そんな瞬間に「これがEQなのだ」と実感したのを覚えています。
SIYは「自分の内側を観察する力、気づく力、あり方(Being)」を育みます。一方でEQPCは「感情を活用して行動を変える力(Doing)」を高めてくれます。
この2つを学ぶことによって、自分や他者の状況をより認識しやすくなり、整えて、選択的な行動をとることが可能になります。それが結果として、パフォーマンス発揮や成果につながっていく—そんな「気づきから行動、成果へ」の好循環が生まれるのです。
EQPCで体系的に学び、SIYで日常の実践を重ねる。または、SIYで自身のEQ活用を体感しながら、EQPCで他者に伝える力を育む。どちらから始めても構いません。お互いに学び続けることで、EQがより身近になり、日々の生活に根付いていくことでしょう。
私にとって一番可能性を感じたのは、自分の言葉でEQの価値や意義を語れるようになったことであり、大きな自信となりました。今後は、企業や教育、自治体、地域などの組織やチームの状況に適した、EQとマインドフルネスの学びを届けていきたいと思っています。
AI時代だからこそ、EQ活用を
これから生成AIの活用が当たり前になる時代において、EQの価値はますます高まっていくでしょう。
実際、今後10年で必要とされるスキルの上位にEQが位置づけられるようになってきたという調査報告もあるように、デジタルが進化する時代だからこそ、感情や共感といった「人間らしさの中核」がより一層求められるのではないでしょうか。
EQをさらに深めるには「理論と実践」「気づきと行動」を統合していくことが不可欠です。その意味で、EQPCとSIYはお互いを補い合いながら、EQを深く育むための相性の良い学びのペアであると信じています。
もしあなたが今、EQの学びを一歩深めたいと感じているなら、この2つの相互学習を視野に入れてみてはいかがでしょうか。EQを知り、感じ、使い、伝える、学び続けることで、EQをフル活用できるはずです。
一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート
中村 悟
一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート
MiLIはリーダーの変容を通して個人の可能性を開花させ、世界と組織のより健全な変容をリードしていきます。米Google発のEQリーダーシップ向上プログラム「サーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)」をはじめ、次世代リーダー向けにEQをベースにしたコーチングなどを展開しています。
EQを学びたい方へ
Six Secondsグループは、グローバルで、科学に基づき、実用性の高いEQを世界各国で伝えています。日本オフィスであるシックスセカンズジャパンでは、最先端のEQの情報を日本語で発信するほか、Six Seconds国際認定資格セミナーの国内開催を行い、資格を持ち日本各地で活躍するEQチェンジエージェントと共に日本全国へEQを届けております。





