EQと経営シリーズ Vol.1
by : シックスセカンズジャパン 代表 田辺康広 |
2023年2月16日 |
1.EQの概要 あなたのEQはどのくらい?
2.EQは他のメンタルヘルス予防と何が異なるのか
3.実践することによる具体的なメリットは何か
EQと経営をテーマに、数回にわたりシリーズでお送りします。
これからEQについて学びたい人、あらためて学びなおしたい人にぜひ読んでいただきたい内容です。
第1回目「EQとは何か 概論」としてお届けします。
構成として
2.EQは他のメンタルヘルス予防と何が異なるのか
3.実践することによる具体的なメリットは何か
の3点を順にお話してまいります。
1.EQの概要 あなたのEQはどのくらい?
こんな見出しのタイム誌(1995年10月6日号)が発刊され、皆様が飛びつき、むさぼり読み、そうだそうだと快哉を上げました。
日本流にいうと、「もはや“学校頭”ではなく、“地頭”が問われる時代ですね」と問いかける表紙という感じでしょうか。
しかしタイム誌がEQを発掘し紹介したのではありません。EQというコンセプトを紹介したのは、ダニエル・ゴールマンという心理雑誌のジャーナリストで、1995年夏に「Emotional Intelligence」という題名で上梓しました。タイム誌はそれの特集を組んだのです。
日本の皆様が目にしたのは左の本だと思います。この本は翌年の1996年に翻訳され、講談社から出版されました。原本(英語)の標題は「Emotional Intelligence」でしたが、日本で出版されるときにはタイム誌の影響もあってか、「EQ-心の知能指数」という訳が当てられました。
この本で読者の心をひきつけたのはは「人生の成功を予測するのはもはやIQではなく、EQだ。成功の80%はEQに負う。」という一文でした。
世界中の人がこの一文に同意したのでしょう、世界中で約400万部超発刊されたと聞いています。
出典:Time Inc,TIME,1995
ゴールマンはその著書の中でEQを
・自己の制御(Self-regulation)
・内的な動機づけ(Internal motivation)
・共感する(Empathy)
・社会的能力(Social skills)
の5つの能力から構成されると紹介しました。
そして、EQの低い人の特徴として
・感情をコントロールできない
・ストレスを感じたらすぐに逃げてしまう
が挙げられるとしました。
このような特徴を会社のメンバーが示したとしたら、経営が成り立ちませんね。米国では、1999年にジョンソン&ジョンソン社がゴールマンに挑戦状を突きつけました。内容は「自社の管理職のEQを測定してくれ。学者にEQとパフォーマンスの相関を調べさせる。ついでにIQとの相関も調べさせる。」というものでした。
結果は、ものの見事にEQと業績に相関がみられましたが、IQには見られませんでした。この調査あたりから米国では急速にビジネス界でEQ教育が加速していきました。
2.EQは他のメンタルヘルス予防と何が異なるのか
前章でEQの低い人の特徴として
・感情をコントロールできない
・ストレスを感じたらすぐに逃げてしまう
を挙げました。
シックスセカンズ社の過去の調査ですが、イタリアのボローニャの助産師68名を対象にEQとストレス対処能力の関連性を調査したケースがあります。結果は、「EQの高さはストレス対処能力を予測できるだろう」というものでした。
「従来のメンタルヘルスと何が違うのか」がこの章のメインテーマですが、調査を通じて明らかになったことは、
②自己制御能力(Self-regulation)が高いことからいったんストレッサーを内的世界から切り離せる
③内的な動機づけ能力(Intrinsic motivation)や共感能力(Empathy)が高いことから、状況にふさわしい気持ちや態度の実現に自己をナビゲートできる
といったことでした。
これらは、シックスセカンズのEQモデルでも、特に重要な要素として位置づけられています。
知る:Know Yourself(自己認識)
選ぶ:Choose yourself(自己管理)
活かす:Give Yourself(自己方向付け)
【各領域を構成するコンピテンシー】
EQが高い人は、常に思考のみならず感情に焦点を当てた内省を行えるため、とくにストレスマネジメントスキル等の訓練をしなくても上手に対処しているのではないでしょうか。
3.実践することによる具体的なメリットは何か
ビジネス界では、EQを活用できる人材を育成することで、
②不注意による事故防止
③離職防止
④顧客満足度の向上
⑤従業員満足度の向上
⑥変革意識の醸成と変革への推進行動
などの効用がみられています。
この中からいくつかの事例を、シリーズを通じて紹介していきたいと思います。次回は第2回「EQのなりたち」について話を進めてまいります。
シックスセカンズジャパン株式会社
代表 田辺 康広
シックスセカンズジャパン代表取締役90年のEQ理論発表時より、組織および人材開発・活性化のキーファクターとして注目し研究。専門性を活かし、様々なセクターにおけるマネジメント・リーダーシップ研修を創り、日本におけるEQの第一人者として、普及・発展に寄与している。
90年のEQ理論発表時より、組織および人材開発・活性化のキーファクターとして注目し研究。専門性を活かし、様々なセクターにおけるマネジメント・リーダーシップ研修を創り、日本におけるEQの第一人者として、普及・発展に寄与している。
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Six Secondsグループは、グローバルで、科学に基づき、実用性の高いEQを世界各国で伝えています。日本オフィスであるシックスセカンズジャパンでは、最先端のEQの情報を日本語で発信するほか、Six Seconds国際認定資格セミナーの国内開催を行い、資格を持ち日本各地で活躍するEQチェンジエージェントと共に日本全国へEQを届けております。
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