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データから見える、職場の”本当の”感情|#EQリーダーシップ 第5話前編

by : シックスセカンズジャパン 代表 田辺康広  | 

2020年4月20日 | 

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2019年の日本の職場の感情、皆さんはどう予測しますか?
  
弊社EQ検査「SEI(Six Seconds Emotional Intelligence Test: セイ)は、
設問の最後に「最近のムード(気分)は?」と訊いています。

そこでまずは
これをお読みになっている皆様の感情を聞かせてください。

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EQとはEmotional Intelligence; 感情知能のこと。感情はすべての人が持つものであるため、人の営みすべてにEQというスキルは活かされます。このEQリーダーシップシリーズでは、6SJ代表田辺より前向きな感情を想起するEQを活用したリーダーシップについて、綴ってまいります。


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あなたの最近の感情は?データが示す職場の感情

 
シックスセカンズジャパンの田辺康広です。

今回から2回にわたってのEQリーダーシップ・シリーズでは

  • 職場の感情に応答する
  • 職場の感情を作り替える
  • をテーマにお話をすすめさせていただきます。
    今回取り上げてみるのは「データから見える、職場の”本当の”感情」です。

    2019年の日本の職場の感情を、皆さんはどう予測しますか?
      
    弊社EQ検査「SEI(Six Seconds Emotional Intelligence Test: セイ)は、
    設問の最後に「最近のムード(気分)は?」と訊いています。

    そこでまずは
    これをお読みになっている皆様の感情を聞かせてください。
    下表の8つの基本感情のうちのどれですか?
    さらに強さを選択するとなるとどれになりますか?
    弱い、中間、強いのなかから選択してください。

     

    10代~70代、4000を超えるサンプルの2019年の感情

    皆様はどれを選びましたか。
    毎年たくさんの方に弊社Six SecondsのEQ検査「SEI」を受けていただいておりますが、
    2019年の日本人の受検データからは、
    4,103個のムードに関する結果が得られました。
    年齢は10代から70代まででした。

    8つの基本感情の分布は以下の通りとなりました。

    感情知能 EQ シックスセカンズ コンサル 組織開発 カウンセリング コーチング EQテスト

    「喜び」が圧倒的に多いですね。全体の38%を占めました。
    次に多かったのは「信頼」でした。こちらは14%でした。
    つづいて「怖れ」11%、「予期」10%と続きました。

    感情の円錐モデルで著名なプルチック博士の説(下図: プルチック・モデルの詳細はこちら)を借りると「喜び系」と「信頼系」が混ざると「愛」が生まれるということから、日本のいたる職場ではほのかな「職場愛」が生まれていると推測されるような気がしました。

    皆さん、職場が好きなのですね~。

     

    感情の強度が伝える実際の感情

    でも、ちょっと待ってください。冒頭で皆さんに伺った「強い」「中間」「弱い」でみるとちょっと違った様子が見えてきます。結果は以下のようになりました。「強い喜び=痛快」を選択している人はあまりいませんでした。

    感情知能 EQ シックスセカンズ コンサル 組織開発 カウンセリング コーチング EQテスト

    「弱い」を1点、「中間」を2点、「強い」を3点として合計点(656人x1点+844人x2点+51人x3点=2,497点)を出し、合計人数1,551人で割ると1.6点となりました。

    こんな感じで8つの基本感情を強中弱で加点して平均したものが下図のようになりました。
    あら、「喜び」がトップではなく、「驚き」がトップとなりました。

    感情知能 EQ シックスセカンズ コンサル 組織開発 カウンセリング コーチング EQテスト

    こうなると「驚き」の分布はどうなっているか知りたくなりますね。
    57%の方が強い「驚愕」を選択しました。職場で何が起こっていたのでしょう。
    それぞれの結果は以下の通りです。

    感情知能 EQ シックスセカンズ コンサル 組織開発 カウンセリング コーチング EQテスト

    では、「怖れ」はどうなっているのでしょうか。

    感情知能 EQ シックスセカンズ コンサル 組織開発 カウンセリング コーチング EQテスト

    ほとんどの方(83%)が中間の「心配」を選択していました。

    さきほど述べた感情の立錐モデルで著名なプルチック博士の説を再び用いると「驚き系」と「怖れ系」が混ざり合うと「畏怖(awe)」が生まれるとされています。

    畏怖には「怖れ⇒敬う」につながる感情(神様を崇め奉るような感覚)や「怖れ⇒撤退」とつながる感情があります。
    今回の結果から「日本人のもつ感情はどちらだろうか」と考えると、私の意見は、職場、役割、そして現在の環境からできれば早く撤退したい、変わってほしい、という気持ちが渦巻いているのではないか、となります。

    このデータは2019年のデータですが、現在の新型コロナウィルスCOVID-19のもたらす感情は「怖れ」と「驚き」が入り混じった感情ですね。さあ、どうしていきましょう。

    次回に続く。

    シックスセカンズジャパン株式会社
    代表 田辺 康広

      


     

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