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感情の語彙を増やし、”感情に対して知的”な自分になる

by : EQプラクティショナー|田中 美保  | 

2019年4月8日 | 

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感情は「コントロール不能な厄介なもの」、セミナー前はそんな風に感じていました。熱しやすく冷めやすい、お天気やの私にとって、悲しみや怒りというネガティヴなものは勿論、嬉しい、楽しいというポジティブなものも含めて、感情は「私を振り回す」暴れ馬のような存在でした―――

EQプラクティショナー資格認定セミナーを受講し、認定を受けたEQプラクティショナーの活動レポートより、一部をご紹介します。


感情リテラシーは、セミナー前に受けたSEIリーダーシップレポートで「克服すべき課題」として挙がってきた2つのコンピテンシーのうちの一つで、私にとってこれから積極的に伸ばしたいエリアの一つですが、セミナーに出るまで何をどうすればよいのかは浮かびませんでした。

しかし、セミナーで「感情は自分自身や周囲の人に関するデータを提供してくれる、体の反応から生じる化学物質で、EQを活用することによって”感情に対して知的である”ことができる」と聞いて救われた気分になりました。

「チェスをするように、1つ1つの駒/感情の意味、動き方、対処方法がわからないとどう動くかがわからないし決められないから、感情に焦点や露出を合わせて、意識して感情から得る情報に集中して、調整する。感情から得られるメッセージを適切に受け取るためには、感情を表す言葉を知る、違いを知る、ラベルを貼る。それには、日本文学の名作を読んだりして感情の語彙を増やすことが大切・・・」

CEOで当日講師を務めた田辺さんからお聞きしたときは、本当に目からうろこが落ちるような衝撃を感じました。日本人として50年も日本語を使いながら生きてきて、20代前半にはコピーライターもどきの仕事にも携わり、言葉には人一倍敏感なつもりでいたのですが、実際に私自身がよく使う語彙を挙げてみると、「わくわく」「がっかり」「ありえない」「馬鹿じゃない?」など、貧弱なものばかり。自分の気持ちにも、相手の感情にもきちんと向き合わず、「感情に振り回されても仕方ない」と感情を軽視して、乱暴に接してきた半生を痛感しました。

セミナー後、少しでも感情の語彙を増やすことができたら嬉しいと思い、子供たちも読めるような『中学生までに読んでおきたい日本文学』という短編集を1巻から10巻まで大人買いしました。山村暮鳥、野口冨士男という初めて聞く作家や芥川龍之介や林芙美子など、有名な作家、そして落語も何篇か入っています。

SEIレポートのアドバイスに「⾃分の中にある感情を表す⾔葉や⾔い回しを基に、感情がどのように思考に影響を及ぼしているか探ってみよう」と書かれていたこともあり、これからは、日本文学の名作に触れてみたり、映画を見たり、普段話さない人と話してみたり。

そんな風に楽しみながら少しずつ感情の語彙が増やし、相手の言葉の中に複雑に混ざり合って、変化していく色とりどりな感情の色が見える目を養っていきたい。その時々の感情に正確にラベルを貼れるようになりたい。併せて、その感情が、思考に、ひいては行動にどんな風に影響するのか、その都度きちんと丁寧に向き合うことができるようになりたい。

“感情に対して知的である”自分になることを目指したいと思いました。

EQプラクティショナー
田中 美保