無意識を意識する、6秒~シックスセカンズ~の力
by : EQプラクティショナー|小山 裕嗣 |
2019年4月24日 |
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習慣的に繰り返す反応や行動を認識する事で、自分の無意識的な反応を管理する事が出来るという点を理解する為に、脳科学の観点が非常に深い学びへと繋がったような気がしている。脳の仕組みを理解すること=自己パターンを理解するという事が、より具体的な理解へと深まった。人間の脳は体重の2%、エネルギー消費でいえば 20%とのことだが、実質的な機能とすれば、それらの数字をはるかに超えるほどの意味を持っていると感じた。―――
EQプラクティショナー資格認定セミナーを受講し、認定を受けたEQプラクティショナーの活動レポートより、一部をご紹介します。
感情を科学的に紐解くEQ
感情の司令部である大脳辺縁系の記憶には、感情のマークが付いていて、密接な繋がりを持っているという事、感情にまつわる脳である大脳辺縁系で、視床から大脳皮質を飛び越え、偏桃体へと近道をしてしまう事、こういった点を脳科学の理論、エビデンスを持って紐解く事が出来るのは、EQ 自体が、より緻密で裏付けされた理論や実証を基に構成されている事が良く分かった。
6秒ルールの実践
感情と思考の脳が切り離される(感情のハイジャック)が起きてしまう事を回避する為に、思考に目を向けさせるのが、まさに EQ の本質なのだろうと思っている。脳幹における反応は、脳と身体に洪水のように押し寄せ、スパイスのように全体に行き渡るとあるが、その洪水がおさまるまでに、6 秒(シックスセカンズ)かかり、それがより良い決定へと導かれる部分が核心なのだろうと思う。
この 6 秒ルールは直ぐに実践出来ると思い、職場の会議等で直ぐ試みた。自分が想定していない事案や物事の決定プロセスの中に裏付けされた根拠なく、ある種感情的に決定(刺激)されたりすると、私自身のパターンとして、論理的思考をもって相手を説得しようと試みるが、洪水がおさまるまでに反応してしまう事が常だった。相手を徹底的に完全論破して強引に納得させるという少々感情的で荒々しい手法を取ってしまっていたのだが、今回の実践では、先ず 6 秒待ってみるというトライをした。結果、相手の話をよく聞くという時間が生まれる事が分かった。また間を空ける事で、自分の反応を選ぶという選択肢が増えることも実感。そこで一番実感したのは、その場に生まれる雰囲気が大きく変わるという事だった。また 6 秒待つ事で、より思考的であろうとする自分が存在していたので、相手との対話ももっと前向きで建設的な方向へとシフトしていった。これまでなら感情的なしこりを残した形でのやり取りだったので、その行動自体ある種の優越感に浸ってしまう自己パターンではないか?と気付く事が出来たのも大きかった。
自己パターンをわかりやすくするツール
8 つのブレインスタイルを持って、ある種の行動パターンの傾向を知る事にも大きな意味があり、それを基に人事考課での活用や、より理想的なチームビルディングをしていく事が出来るのは、実に有益だと思っている。Feeling, Thinking, Acting のアクティビティーに代表されるような普段とは違うアンテナを張る事で、気付きを得ていく=大きな成長へと繋がっていくのではないか、と感じている。刺激が入った時によくやってしまう行動、陥りやすい行動を自己認識する事で、より思考的であろうとする姿勢は、そこで起きた事案や問題を解決する一つのきっかけになると確信した。より思考に目を向けさせるためには、脳科学の理論をしっかりと理解する事、また自己パターンとしっかり向き合い、何故そうなったのかを自ら認識する事が如何に大切な事かを理解出来た。
Art-Loving代表(演劇をとおして 生きる力~つくる・はぐくむ)
EQプラクティショナー
小山 裕嗣