内発的なモチベーションの源泉を追究する
by : EQプラクティショナー|齊藤あさぎ |
2019年11月21日 |
「自分の方向性を決め、目標設定をする」
キャリアコンサルタントの仕事として、クライエントと一緒に取り組む就職支援のファーストアクションである。
就職活動のゴールは何?
そのゴールに辿りつくためには何を実現すれば良い?
そのためにどんな仕事を選ぶのか―――?
・・・
EQプラクティショナー資格認定セミナーを受講し、認定を受けたEQプラクティショナーの活動レポートより、一部をご紹介します。
意思決定において最も重要で強力な原動力
クライエントの興味・能力・価値観に焦点を当て、自己対話のサポートをする。その中でも特に価値観は、意思決定で最も重要で強力な原動力となるが、なかなか顕在化されづらく、人生の歩みのプロセス(環境・経験・学習)の中で進化していく。だからこそ価値観に対して、時間をかけて外的要因・内的要因に分けて自己対話を深め、歩む方向性を決める動機を明らかにしていくプロセスを踏む。
客観的・可視化できる要因であり、仕事内容や実績・地位など他者からの評価・賞賛
内発的要因とは :
主観的・不可視化な要因であり、仕事に対する動機や意味付け、自己の満たされた価値観
私は、
内的要因は「自分がどうありたいか」
だと大枠で捉えている。そしてどちら重要でどちらが不要ではなくどちらとも前に歩むための動機となる大切なエンジンだと考える。
外発的モチベーションは、マイナスの影響を与えるのか
今回の EQ セミナーでの学びで印象が深かいものの一つが、外発的モチベーションに関するマイナスの影響であった。
- 内発的モチベーションを下げる
- 最短距離をとる
- アイデアの幅を狭める
- 外発的なものへの依存がうまれる
2019 年 5 月 4 日 EQ プラクティショナー セミナーより
外発的モチベーションばかりが強くなると、成果・実績・評価・賞賛など他者への意識が強くなり、自分の内側に向けた「自分がどうありたいかという心の豊かさの広がりを阻む要因となる」という考え方に、深く納得をする一方で、モヤモヤとした気持ちが残った。
崇高な外的要因を持つ
現在の情報化社会やビジネスの世界は結果主義が強く、時短・効率・生産性の向上が成果に結びつくとして評価され、外発的モチベーションを推奨している。働く上では会社や組織に貢献することは当然である。ならば会社が求めている期待・役割を果たすという動機も必要不可欠ではないかと感じたからだ。
学生の就職支援を行う機会が多いからこそ、そう感じるのだろう。ファーストキャリアを歩む若者たちには、内発的モチベーションを見出し発揮する経験がまだ浅いため、自己対話してもエンジンが見つからないことのほうが多い。むしろ会社のステータスや給与・福利厚生など外発的モチベーションのほうが、イメージが持ちやすく、就職活動の一歩を踏み出しやすくなる。
だから私は外的要因を働くエネルギー源とすることも良しとしたい。若者たちには自分の人生に枠をつけず、妥協せず、崇高な外的要因を持ってほしい。自分でハンドルを握り、アクセルを踏み出すことができる的確なエンジンを手に入れて欲しい。
内発的モチベーション=行動をかりたてるもの=エネルギーを湧かせるものを。
そして、社会人となり仕事を通じて様々な経験を積む中で「何のために働くのか」「自分がどうありたいか」内発的モチベーションを明確にして、自分のエネルギーを発揮し心の溌剌とした人生を歩んで欲しい。
「外的要因は働く目標、内発的要因は働く目的」
働く目標の先にある目的次第で、人生の豊かさが変わっていく。
目指す未来への方向性を明確にして、第一歩を踏み出す勇気と希望の源泉。
クライエント一人ひとりに対して、そのような源泉を発掘できるカウンセラーとして研鑽していこうと誓う。
2級キャリアコンサルティング技能士(国家資格)
Executive Certificate/認定レジリエンス・トレーニング講師
EQプラクティショナー
神田あさぎ