EQ articles

自分らしい人生を送るためのEQ

by : シックスセカンズジャパン  | 

2016年10月22日 | 

, , , , ,

 

人生の目的

ダニエル・ゴールマンは、彼の著書である「EQ-心の知能指数」の第三章、「秀才がつまづくとき」で、「人生の成功を予測するのにIQの働きは2割程度でEQが8割だ」と記し、センセーションを巻き起こしました。一般の読者は感覚値としてこの発言にうなづきましたが、学者の間では、2割と言う数字はどのような調査から導き出したのか、本当に2割程度か、と論争が湧き起りました。

シックスセカンズは、EQが直接的に、人生の成功を予測するものではなく、成功に導く要素があり、それらとEQに関連があるのではないかと考えました。

皆さんの中には、そもそも「人生の成功」とは何だ、とお考えになられた方もいらっしゃるかもしれません。成功とは、目的や目標がかなった状態ととらえるのが一般的です。会社の成功は、会社の設立目的がかなっている、単年度や中長期の目標がかなっている時に、成功ということばを使います。
この文脈でいうと、「人生の成功」とは、自らが立てた「人生の目的や、目標」に沿った生き方ができているか、かなっているか、ということになります。

あなたの人生の目的や目標をかなえるために必要な要素は何でしょうか?少し考えてみてください。

 

人生を豊かにするサクセス・ファクター

シックスセカンズでは、あなたの人生の目的や目標をかなえるために必要な要素を次の4つに特定しました。

達成意欲
対人関係への意識
ウェルビーイング
クオリティオブライフ

「達成意欲」とは、結果を出すために物事をやり遂げようとする能力であり、「対人関係への意識」は、良好で強固な人間関係を構築する能力を積極的に活用しようという意識です。これらは、おもにソーシャルライフで活用されるものと位置づけています。

「ウェルビーイング」とは、エネルギーや、機能を高いレベルに保つ能力であり、「クオリティオブライフ」とは、よりよく生きることで「真の幸福」を創造する能力を意味します。これらは、おもにパーソナルライフで活用されるものと位置づけています。

達成意欲の自己評価が高い人たちは、「たとえ困難な状況に遭遇したとしても、展望を捨てず、やりきろうという気持ちを維持でき、行動を継続できる」人たちとイメージしてください。
また、対人関係への意識の自己評価が高い人たちは、「人との関係を大切なものと思い、積極的にかかわりをもち、その関係を維持したり、壊れそうなときにはそれを修復しようとしたりする人たちとイメージしてください。

ウェルビーイングの自己評価が高い人たちは、「健全な精神は健全な肉体にやどる」という格言を実践している人たちとイメージしていただくと、わかりやすいと思います。
また、クオリティオブライフの自己評価が高い人たちは、「ビジネスライフもパーソナルライフもバランスよく過ごせ、日常生活に幸福感を感じている」人たち、とイメージしてください。

皆さんのサクセスファクターに対する自己評価はどのようなものでしょうか?

グラフでは、Aさんの例が表示されています。Aさんは、40歳、中間管理職になって3年目です。部下の管理や、他部署との調整、一番忙しい時期であることは想像できます。

ご本人が一番自己評価を高めているのは、ウェルビーイングです。心身を健全な状態に保っておこうという意識を感じさせます。

次に自己評価が高いのは、達成意欲です。結果を出すために、やり遂げる自分をプロデュースしている様子がうかがえますが、自己評価の領域が、標準レベルを下回り、開発過程レベルのゾーンに入ってしまいました。すこし、へこたれ、あきらめる気持ちも時折襲ってくる様子がうかがえます。

そして3番目に自己評価が高いのは、対人関係への意識です。開発過程レベルの中間あたりの自己評価です。人間関係の構築や、維持に、すこし悩んでいるかもしれません。

一番自己評価が低かったのは、クオリティオブライフですね。自分の日常に「グリップ感」を持てていないのではないでしょうか。「生きている」というより「生かされている」という感覚でしょうか。「自分の人生を生きている」という感覚がもてないまま、毎日を過ごしているのでしょうか。

Aさんには、ゆっくりと自分の日常生活を振り返る時間を確保してあげたくなります。そして改善の糸口を一緒に探してあげたくなります。
これらのサクセスファクターは、自分の持っているEQを活用することで、改善できることがシックスセカンズの調査からわかってきました。

次に、サクセスファクターとEQの関係を見てみましょう。

 

EQは「成功」を予測する

グラフは、サクセスファクターとEQの総合値の関係を示しています。シックスセカンズは世界中の75,000人のデータより、EQとサクセスファクターの強い関係性を明らかにしました。
このことから、シックスセカンズは、EQを伸ばすと、サクセスファクターが活用できるようになる。そして、サクセスファクターが活用できることで、自分の人生の目的や目標にそった、健全で、建設的な毎日を送るようになれる、と結論付けました。

では、どのようなことをしていけば、EQは伸ばせるのでしょうか。

 

EQ実践モデル

EQを伸ばすには、まずEQの3つの重要な探求領域を理解することから始まります。この3つの探求をシックスセカンズは「知る」「選ぶ」「活かす」と定義しています。

知る:Know Yourself「何について」の探求領域です。
自分自身を認識することによって、自分の強みと挑戦すべき領域を知り、自分がとっている行動、自分はどうありたいか、そして、どう変えたいかが分かります。

選ぶ:Choose Yourself「どのようにするのかについて」の探求領域です。
自分はどのように振る舞うべきか、自分や他の人へ影響を与えるにはどうするべきか、そして自分の考えを「実践」に移すにはどうすべきかがわかります。

活かす:Give Yourself「なぜそうするのかについて」の探求領域です。
「活かす」を実践している時のあなたは、なぜそのような方法で対応するのか、なぜ新たな方向を選択するのか、なぜ他の人も巻き込むのか、について明快な答えを持っており、エネルギーに満ちた状態にいます。

シックスセカンズEQ実践モデルは「円」で表現しています。1回かぎりのプロセスではなく、永遠に続くプロセスを表現したかったためです。
例えて言うならば、船のスクリューのようなものです。スクリューは、大きな船を前に進ませるエネルギーを生み出しますが、スクリューの羽根がバランスよく機能しなかったり、ひとたびその動きが止まってしまうと船は前には進みません。KCGの3つの領域をバランスよく、常に回していくことがEQを効果的に働かせるためのカギです。皆さんはそれぞれの領域をバランスよく活用できているでしょうか?

3つの領域を「Yourself」としていることも特徴の一つです。私たちは、相手に変化や変容を促せるのは、結局は自分自身と考えているからです。あなた自身が、セルフリーダーシップを体現する道具だからです。もしあなたが、ほかの人に対して変わってほしい、行動を変えて欲しい、と思うなら、まずあなた自身が、自分の「思考」「感情」「行動」を変化させることから始める必要があると考えるからです。感情は伝染する性質があります。もしあなたがリーダーであり、他者に対して何らかの感情をいだいているとしたら、その時点ですでに、あなたが、職場や仲間全体の感情を作り出しているのです。反対に、あなたの感情がかわれば、望ましい成果につながる、職場や仲間の行動が生まれる可能性が高まるのです。

EQ発揮を支える8つのコンピテンシー


それぞれの探究領域には、図で示しているような各領域を下支えする8つのEQコンピテンシーがあります。

青い色で示される「知る」という探究領域は、感情リテラシー」自己パターンの認識」という2つの、EQコンピテンシーで構成されています。
感情リテラシーは、平易な言葉で説明すると「気持ちをキャッチできるコンピテンシー」となります。
自己パターンの認識は、「行動や思考パターンを認識できるコンピテンシー」となります。

赤い色で示される「選ぶ」という探究領域は「結果を見すえた思考」「感情のナビゲート」「内発的なモチベーション」「楽観性の発揮」という4つのコンピテンシーで構成されています。
結果を見すえた思考は、「行動を起こす前に行動がもたらす結果を熟慮できるコンピテンシー」です。
感情のナビゲートは、「自分の気持ちを静めたりふさわしい気持ちを作ったりするコンピテンシー」です。
内発的なモチベーションは、「他人の手を借りず自分自身でやる気を作り出すことのできるコンピテンシー」です。
楽観性の発揮は、「状況に応じて楽観的な思考を遂行できるコンピテンシー」です。

緑の色で示される「活かす」という探究領域は、「共感力の活用」「ノーブルゴールの追求」の2つのコンピテンシーで構成されています。
共感力の活用は、「物事を決めたり、行動したりするときに他者の気持ちに配慮できるコンピテンシー」です。
ノーブルゴールの追求は、「何かを決める時、自分らしさを失わないように常に心がけて判断したり行動しようとさせるコンピテンシー」です。

これらのコンピテンシーを効果的に活用することで、EQの発揮が促進されます。

このグラフでは、前に登場したAさんの3つの探究領域と8つのコンピテンシーに対する自己評価が見えます。

3つの探究領域では「知る」が一番高く、「選ぶ」の自己評価が一番低く出ています。この結果をプロファイリングすると、Aさんはある状況が生まれると、まず「自分は今、どのように感じているか」に焦点を当てることが予想できます。そして次に「結局自分はどうしたいか」に意識を向かわせます。

「この状況で自分が取れる選択肢にはどのようなものがあるか」についての意識は一番あとまわしになってしまう、そんな様子がうかがえます。もしかすると、自分はどうしたいのかに気づいているのに、選択肢が少ないためにどうしてよいかわからず途方に暮れている状況かもしれません。

また、8つのコンピテンシーの自己評価の程度を見ていくと、「結果を見すえた思考」「共感力の活用」「自己パターンの認識」に対して、高く自己評価していることがわかります。行動を起こす前に、行動がもたらす結果を熟慮でき、物事を決めたり、行動したりするときに他者の気持ちに配慮でき、そして、自分の行動や思考のパターンを十分認識できている、そんな様子がうかがえます。
一方で「内発的なモチベーション」「ノーブルゴールの追求」「楽観性の発揮」を低く自己評価していることがわかります。このことから、もしかするとAさんは、持続的に自らを奮い立たせ、自己の信念や価値観を伴った行動を起こすことに苦労されてるかもしれません。また、リスクばかりに目がいき、可能性や展望を見いだせずに、なかなか一歩を踏み出せない状態にいるかもしれません。

さてここで、もう一度Aさんのサクセスファクターを思い出して下さい。Aさんのそれぞれのコンピテンシーがどのように影響を与えているか想像できますか?サクセス・ファクターをさらに活性化させ、日常をより良いものへと変えていくためには、その助けとなるEQコンピテンシーに目を向ける必要があるのです。

皆さんも、より良い日常や自分らしい人生を歩むために、まずは自身のサクセス・ファクターとEQの発揮度合いについてチェックしてみませんか?
各専門性を備えたEQチェンジエージェントたちが皆様の自己理解、EQ開発支援をサポートします。

また皆さん自身もEQのエキスパートとして活躍いただけます。

SEI EQアセッサーは、専門的なEQ検査を用いて検査結果を分析し、EQコーチングを通じてクライアントのEQコンピテンシーの効果的な活用方法と日常をより豊かにするためのヒントを探す支援をします。
EQプラクティショナーは、感情やEQについての専門的な知識を基にした具体的なEQ開発手法を通じて、対象者のEQ開発や行動変容の支援をしていきます。

どなたでも、基礎講座を受講後、専門的な各種認定コースへお進みいただけます。

シックスセカンズジャパン