停滞感を意欲に変える
by : 6SJ |
2014年11月4日 |
※本文はSix Seconds本部より、英語にてグローバル配信されたものの日本語訳です:原文
人と組織のポジティブチェンジに感情知能はキーとなる原動力となるのか、
その可能性について議論を展開したEQカンファレンスin Japan 2014夏からご紹介。
日本における「EQ」の役割と価値
カンファレンスのキーメッセージは
「景気回復を目指す今日において、”人”の再活性化の議論を見落としてはならない」というもの。
そして再活性化を目指すに当たり、EQの活用は実践的で科学的なものである、
という前提で展開されました。
「EQの現状」と「経済および人材の活性化に果たすEQの役割」についての
2つの基調講演とEQが根底となり実際にポジティブチェンジを生んだケースについて
企業人事や人事コンサルタントから3つのプレゼンテーションがなされました。
日本人のEQ
シックスセカンズジャパン社代表、田辺康広より興味深いデータを講演の中で紹介。
日本において停滞感を見せているのは「地方」「女性」「中高年」ではないかという仮説に対して、
データから見えてきたものは30、40代の男性中間管理職に停滞感がはびこっているという、
普段から耳にするものとは異なるものでした。
また、6066名の日本人のEQ検査データからは、他国同様、「成果を導く業績ドライバ
ー」に対するEQの説明率は55%を示している」ということ、加えて、年齢を重ねるにつ
れ、またポジションが上がるにつれEQレベルは向上するという説明もなされました。
停滞感から意欲へ
米シックスセカンズ本部CEOジョシュア・フリードマンからは
「ポジティブチェンジへの触媒として感情の持つ役割」についての基調講演がなされました。
キーポイントは3つ、
2.複雑さが増し、様々な困難な状況に直面する現代において
ますます感情コンピテンシーが重要となる
3.未来を創造するために必要な才能に注目すると、
今日の日本人が示す最も高い才能は「認識力」と示されました。
しかし、残念なことに選ばれた中で、最も低い3つの才能はすべて「行動力」につながるも
のでした。
「優先順位をつける」「起業家精神」といったことは、
特定のEQコンピテンシー開発で実践できるようになります。
景気の活力を取り戻すためには、人間のエネルギー:感情が必要となります。
事例発表:新入社員の離職率24%から0%へ
四元千佐子氏(ゼネット社)
ゼネット社は、過去における離職率は24%であったが、0%を達成した。
達成へのプロセスとして、新人研修内でEQトレーニングを実施。
トレーニングでは、分類されているEQ能力の中から、自分自身の「強みとして使える能力」
に焦点をあて、自己理解を促した。さらに新人ばかりではなく、メンターや管理職者などに
もEQトレーニングを施し、同様に強みの重要性に焦点をあて、自分自身の「EQ」について
も理解を深めてもらった。
事例発表:合併後の経営チームに対する「チーム意識」の強化
山本憲幸氏(ビヘイビア・チェンジ・パートナーズ社)
ある企業合併後の経営陣は、2つの起業者たちによる混成チームであった。
山本氏はチームバイタルサイン診断(組織活力診断)を利用して、経営陣の協業意識を高め
ていった。その後、個々の経営者に対するEQコーチングを実施しチーム力を高めるための
EQスキルについてコーチングを通じて伸長させた。
結果:経営チームにはポジティブムードが生まれ、展開前には感じられることのなかった、
協力関係が構築された。
事例発表:活力あるリーダーシップの醸成
山本憲幸氏(ビヘイビア・チェンジ・パートナーズ社)
食品流通会社において20名のリーダー向けにリーダーシップ・バイタルサイン(360度診
断)を用いた個別コーチングを実施した。結果、自分自身のリーダーシップについての自己
評価が他者評価を上回っているリーダーが多いことが判明した。
このようなリーダーは自社内の人事考課においてもしばしば低い評価をつけられていること
も見えてきた。今回の診断とコーチングにより、リーダーたちへ衝撃と深い内省をもたらし、
行動変容に繋がった。
EQを行動に結びつける
カンファレンス参加の皆様は、このカンファレンスが実践的な内容で、示唆深いものである
ことを理解し、EQを行動に結びつける心構えとともに会場を後にした様子でした。
参加者の声:
◯とても暗い夜の中にいる気分でしたが、突然目の前に道が見えました。
◯変化はまず自分自身を変えることから始まるということを再認識しました。
◯自分の「内なる声」に注意深く耳を傾けることが、ポジティブチェンジへ向かわせる
自分のエネルギーに点火することになることがわかりました。
◯エネルギッシュな自分となるために「EQチリペッパー」を見つけようと思いました。
参加者の声から私たちが学びたいこと:
◯行動は感情に影響される。
◯感情はシグナル、あるいは情報であり、「よい」「悪い」で表現されるものではない。
◯このカンファレンスで得たアイデアを活用して、
新しい視点で職場を捉えることができそうだ。
◯複雑でストレスに満ちた現代において、もっとEQが必要だ。