EQ実践者の声「人の心に届く、コールセンターのコミュニケーション」
2015年4月15日 |
コミュニケーションスキルを
ビジネスにも人生の充実にも生かせる最強のスキルに。
株式会社コミュニケーション・アカデミー 代表取締役
一般社団法人 日本コールセンター協会CCAJスクール講師
日本電信電話ユーザ協会本部契約講師
黒田 眞紀子 様
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顧客と接する最前線であるコンタクトセンターの人材育成を中心に、企業の社員研修や講演活動を通じて、働く人々のコミュニケーションスキルの向上に尽力している黒田眞紀子さん。
大手テレマーケティング・エージェンシーで社外の教育を担当していた時代に感じていた、教育プログラムにおける「限界」や「もの足りなさ」を解消するものが「EQ」だと確信。
独立後は、EQをベースに、ヒューマンスキルの向上も視野にいれたコミュニケーション・トレーニングの実践で、多くの企業から信頼を得ています。人の心に届くコミュニケーションは自分と相手の感情の理解から
マナー、スキル、知識だけでは何かが足りないコンタクトセンターで業務するコミュニケーター向けの研修に携わるプロの講師して、30年近い年月が経過しました。研修では、私自身のコンタクトセンターでの経験や、電話応対のマナーやスキル、心構えを皆さんに懇切に指導することに終始してきました。
けれど、ある時期から「何かが違う」という感覚が、私の中に強く感じられるようになりました。研修直後、目に見えてアップするモチベーションが、2、3ヶ月で、また元へ戻ってしまう受講者の様子に、研修そのものに「限界」があるというか、「やり方」を教えるだけでは足りないない『何か』が必要なのではないかと考えはじめたのです
そんなときEQの理論を知り、「これだ!」と思いました。電話応対の際、相手の「感情」を理解することが重要であることは、それまでも伝えていましたが、論理的に伝えることができていなかったことに気づいたのです。
EQについてもっと深く理解し、研修に導入して伝えていきたいという思いが強く芽生えました。スキル研修との違いを実感
EQを学び、これまでの「相手の感情」だけでなく「コミュニケーター自身の感情を見つめ、整えること」の重要性を伝え始めると、コンタクトセンターの現場に変化が現れました。
うれしいことにコミュニケーターだけでなく指導にあたるスーパーバイザー(SV)の皆さんの行動にも変化が現れたのです。「やった!」と思いました。自分自身の感情が、言葉や行動、声のトーンにまで影響を与えることを、あらためて理解すると、指導の方法だけでなく、声掛けのタイミングを考えられるようになるなど、「自分なりの指導スタイル」を確立できるSVも出てきました。
それまで私が感じていた「研修の限界」が現場の変化とともに払拭されていくと同時に、直感的にEQを研修に組み込んだ自分の判断に間違いはなかったと思う自分がいました。
加えてEQの発揮は、接客業、特にお客さまの顔が見えないコンタクトセンターには必要不可欠であることも確信しました。講師として、一人の人間として人生目標を持つこと
「何のために?」自分への問いかけシックスセカンズのEQを学ぶなかで、プロ講師としてあらためて自分に問うことがありました。
「私は何のために講師という職業を続けているのか?」。
これまでの私を四文字熟語で表すとすれば「一所懸命」。その時、その時に目の前の状況に全力で向き合って生きてきました。そんな私がシックスセカンズのEQを学ぶ中で「講師としての私」「一人の人間としての私」のありたい姿は何か、自分自身を見つめる機会が訪れました。
きっかけは2つです。1つめは、EQコンピテンシーの「ノーブルゴールの追求」。
これは自分の道しるべとなる目標のことで、人生目標といったものです。「私が本当に望むことは何か」、EQコンピテンシーを理解するプロセスの中で、自分なりの答えを探す私がいました。EQカンファレンス世界大会をきっかけに
ちょうどそんな時期に、シックスセカンズが4年に1度開催するEQカンファレンス世界大会があることを知り、迷わず参加しました。そこでボストンでシックスセカンズの創設者カレン・マッカーンさんとプレジデントのアナベル・ジェンセンさんから直接お話しを聴くチャンスを得たことが2つめのきっかけです。
ダニエル・ゴールマン著『EQこころの知能指数』の第15章に描かれているカレンさん、そして、「私が100歳になる2039年までに10億人の人がEQを発揮している世の中を目指すわ」とさらりと言うアナベルさん。しなやかでたおやかなお二人の姿にいつしか刺激され、帰国した私の中で生まれ出てきた言葉は「生涯講師」でした。
人生目標が定まると、自分でも驚くほどの活力と使命感が湧いてきて、今は、これまで以上に講師という仕事を心から楽しんでいます。
研修に組み込むためにEQを学んだ私ですが、一番の収穫は、私自身が「自分らしい講師としてのあり方」に気づけたことです。これからも生涯、プロの研修講師として大勢の方々がポジティブに変化するために、私自身が“講師として、人として、良質な刺激”になれればと思うのです。