医学生のEQは在学中どう変化したか
by : シックスセカンズ米国本部(シックスセカンズジャパン編集) |
2024年12月4日 |
優秀な医師と、その医師のEQ、そして患者の予後を結びつける強力なデータがありますが、医学生のEQに関する調査や、在学中にどうそのEQが変化しているかというデータはほとんど存在しません。米国Liberty Universityでは、入学時と、二年次終了時点での学生のEQコンピテンシーを測定することにしました。
状況
医師にとってEQコンピテンシーは「あったら望ましい」という程度のものではなく、患者の転帰に密接な関係するものだという証拠となる研究結果が増えています。
米国フィラデルフィア州のJefferson Medical Collegeの糖尿病患者に関する研究では、891名の糖尿病患者が29名の異なる医師の治療を受けました。医師たちは共感力のアセスメントを受け、その後、研究者たちは医師の共感力のスコアと患者の予後に関する健康データを比較分析したところ、医師の共感力のスコアと、患者の血中ヘモグロビン値との間に、強い相関関係があることがわかりました。
ところが、その大切であるはずの医学生のEQに関する調査や、在学中にどうそのEQが変化しているのかという調査データはほとんど存在しません。Liberty大学では、医師が患者との関係を良好に保つためには、医学的知識以上のものを備える必要があると考え、学生のEQコンピテンシーを測定することにしました。未来の医師たちのEQを、医学部のカリキュラムはどのように影響をあたえているのかを調べるためです。
解決策
世界40万人に使用されているEQアセスメントである、SEI(Six Seconds Emotional Intelligence Test)を用いて、62名の学生を対象に入学時と二年次終了時点でのEQを測定しました。Six SecondsのEQモデルの8つのコンピテンシーを含む入学時検査結果と2年次終了時検査結果を比較しました。
結果
入学時と2年次終了時点を比較すると、全ての結果が悪化していました。EQモデルの8つのコンピテンシーのうち、6項目が低下、2項目が変化なし。その中でも特に悪化したのは、「楽観性の発揮」、「結果を見すえた思考」、「共感力の活用」でした。医師が、複雑な診断や、患者の生死に係わる決断を下しているということや、医師のEQと患者の転帰が直接関係するということを考えても、これは深刻な結果でした。そしてこの調査結果は、他の類似の調査によっても裏付けられていました。 Journal of the American Medical Associationの2016年の調査のよると、医学生の27%が深刻なうつや、うつ的症状で苦しんでいるという結果がありますし、英国Cardiff Universityの調査では半数以上の学生が深刻な不安障害に悩まされており、その他の一般と比較したときの、うつや自殺率の高さを指摘しています。
学部長のコメント
—Dr. Linda Mintle Liberty University 行動健康学部長
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