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クイズでチェック✅!感情知能(EQ)を高めるための7つの秘訣

by : Michael Miller, Six Seconds Global  | 

2025年4月14日 | 

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EQは思考と感情をうまく組み合わせて最適な判断を下す力です。これは、自分自身や他者との良好な関係を築くために重要です。ほとんどの人がEQの重要性を認識していますが、感情に関する誤解から、その実践に苦しんでいる人が多いのが現実です。それはその人の責任ではなく、感情に関して広まっている誤解や神話が原因です。
まずはこのクイズで、あなたの“感情に対する理解度”をチェックしてみましょう。その後で、EQを高めるための7つのポイントと、日常生活に活かすための具体的なヒントをご紹介します。

✅EQクイズ❌

✅正しいか ❌間違いか考えてみましょう!
スクロールして答え合わせをしてみてください。

1. 良い感情と悪い感情がある?

2. 大事な決断をするときは、感情を抜きにするべき?

3. 感情を言葉にして表現すると、その感情の強さが和らぐ?

4. 論破したり高圧的な態度をとることで、相手を従わせることができる?

5. 相手の感情を言葉にすると、信頼関係が深まる?

6. 感情は伝染する?

7. 共感力は生まれつき決まった性格である?

 

1.「良い感情」と「悪い感情」がある?

❌間違いです!

多くの人は、ある感情は「良い」、ある感情は「悪い」と考えるように育てられてきました。例えば、「幸せ」は良い感情で、「怒り」は悪い感情だと思われがちです。でも、こうした考え方は感情の役割を正しく理解していないため、私たちは「不快」な感情(恐怖、怒り、嫉妬など)を感じたときに、自分の気持ちと戦ってしまうことになります。
例えば、「恐怖」について考えてみましょう。恐怖を感じるのは楽しいことではないかもしれませんがとても大切な感情です。恐怖は私たちに危険を知らせ、脳と体を素早く対応できる状態に準備させてくれます。同じように、「怒り」は何が大切なのかをはっきりさせ、不正に立ち向かう力を与えてくれます。
どんな感情であれ、「敵」としてしまうと、私たちは大切な情報を見落としてしまいます。EQの専門家であるジョシュア・フリードマン氏は、「自分の感情を悪者にしてしまうことこそ、EQを高めるうえで最大の障壁です。」と言っています。「感情にはそれぞれ役割があり、すべての気持ちには価値があるのです。」

EQを高める第一歩は、自分の感情と戦うのをやめることです。

まず、「EQについて知りたい」「自分のEQについて知りたい」という方は基礎講座Unlocking EQ をおすすめします。本講座では、自分の強みや特徴をチェックしながら、カードを使ってEQを体感で学べる入門講座です。

2.大事な決断をするときは、感情を抜きにするべき?

❌間違いです!

「感情は持ち込まないで」とか「感情的にならないで」と言われたことはありますか?私はあります!
こうしたアドバイスや、「感情が問題だ」という考え方は、多くの人々の中に深く根づいています。
でも実は、これは科学的には正しくありません。
感情を抑えようとすると、かえってその感情が強くなったり、心のストレスが増えたりすることが研究でわかっています。それだけでなく、感情を抑えると「幸せを感じにくくなる」「正しい判断ができなくなる」「頭の中がクリアにならない」といった影響も出ます。
特に皮肉なのは、「感情を抜きにすれば冷静な判断ができる」と思われがちなのに、実際はその逆の結果になってしまうという点です。

また、こちらの記事では、「感情は抜いたほうがいい」というよくある思い込みを、科学の力でくつがえした研究を紹介しています。→『感情を無視することは、実はうまくいかない』

明確にさせておきたいのは、EQを身につけることは、感情に流されることではありません。大切なのは、感情に流されるのではなく、上手に付き合うこと、向き合うこと です。このテクニックは、強い感情をうまく乗り越えるのに非常に役立ちます。

感情を抜きにして決めるのが「冷静で正しい」って思っていませんか?でも実は、感情を無視すると判断力も決断の質も下がるという研究結果があります。ほんとうに合理的なのは、感情とちゃんと向き合うことです。

3.感情を言葉にして表現すると、その感情の強さが和らぐ?

✅正しいです!

EQの大切なポイントのひとつは、「感情を無視したり、見ないふりをするとその感情はかえって強くなってしまう」ということです。でも、それを和らげるための簡単な方法があります。

それは、「自分の感情に名前をつけること」つまり「気持ちを言葉にすること」です。実際の研究でも、「いま自分は怒っている」「不安を感じている」と言葉にするだけで、感情の強さが和らぐことが分かっています。そうすることで、感情に流されずに冷静に考えることができるようになり、感情と思考をうまく組み合わせることができるようになります。

特に面白い研究は、UCLAのMichelle Craske博士が行ったものです。彼女は、タランチュラなどクモを怖がる人々に対し実験を行いました。結果として、感情を言葉で表すことで、その恐怖の感情が減少することが確認されました。

ただし、注意すべき点もあります。それは、感情を表現する能力は、あなたの感情の語彙力にかかっているということです。感情を表現する言葉が多ければ多いほど、複雑な感情を理解し、上手に対処できるようになります。プルチックの感情モデルを使えば、自分の感情語彙を試して、さらに広げることができます。

「今、私は〇〇〇〇している。(イライラしている、怒ってる!、絶望している。)」と、ちゃんと言葉にしてみると、少しだけ楽になるって知っていますか?感情を言葉にして表すことは、EQを高めるためのシンプルな方法です。

 

この3つのEQの事実を簡単におさらいです!

1. 感情は味方である
2. 感情を無視することは、実はうまくいかない
3. 感情を言葉で表現することで、感情を落ち着かせることができる
 
次は、人間関係をテーマとしたEQについて見ていきましょう!

 

4. 論破したり高圧的な態度をとることで、相手を従わせることができる?

❌ まったくの間違いです!

EQの基本ルールのひとつに、「人は攻撃されていると感じたとき、防御的になる」というものがあります。なぜなら、私たちの脳にとって一番大事なことは「生き残ること」つまり自分の身を守ることだからです。そして、「仲間とのつながり」もまた、生き残るためにとても重要なこととして、長い歴史の中で強く結びついてきました。

たとえ本当に命の危険があるわけではなくても、人が「攻撃された」と感じると、体はストレス反応、いわゆる「闘争か逃走(Fight or Flight)」の反応を起こします。

ジョシュア・フリードマン氏はこのように説明しています。

「この生物的な反応システムは、例えばジャングルでトラに襲われそうなときにはとても役立ちます。トラと話し合おうとはしませんよね?工夫もしていられません。生き残るためには、とにかく全力で逃げるか、大きくて鋭い棒でも持っていることを祈るしかありません。

こうした“命に関わる脅威”に対応するため、私たちの体はストレスを感じると、免疫・生殖・共感・分析的な思考など、長期的な成長や豊かさに関わる機能を一時的にストップさせて、筋肉に全エネルギーを集中させます。つまり、私たちがストレスを感じているときは、創造性・思いやり・先を見通す力が自然と弱まってしまうように体ができているのです。」

つまり、人が「攻撃された」と感じたとき、その人があなたの意見を理解してくれる可能性はとても低くなります。なぜなら、そう感じた時点で、脳はすでに“防御モード”に入ってしまっているからです。
ここで大切なのは「実際に攻撃されたかどうか」ではなく、「その人がどう感じたか」ということです。本人が「これは自分への攻撃だ」と感じてしまえば、その瞬間に体はストレス反応を始めてしまいます。

だからこそ、EQを身につけたいと思うならこの仕組みをよく理解しておくことが大切です。特に、相手よりも自分が立場的に強いとき(先生やリーダーのような立場のとき)には、相手に無意識のうちにプレッシャーや脅威を与えていないか、注意する必要があります。

EQの一番大事なルール:人は「責められている」と感じると、自分を守ろうとする。

5. 相手の感情を言葉にすると、信頼関係が深まる?

✅正しいです!

人と信頼関係を築くのは、簡単ではありません。時間も手間もかかるものです。ですが、比較的シンプルで効果的な方法のひとつに、「相手の感情を言葉にしてあげること」があります。

特に、相手が少しつらそうだったり、ネガティブな感情を抱えているように見えるときに、「ちょっと疲れて見えるね」 「イライラしているように感じるけれど、大丈夫?」
といった声かけをすることで、相手との信頼が深まりやすくなるという研究結果があります。(ScienceDirect掲載の論文より

これは、自分の感情を言葉にすることで気持ちが落ち着くのと同じように、他人に自分の感情を丁寧に言語化してもらうことで「理解されている」「気にかけてもらえている」と感じやすくなるからです。

ただし、ひとつ注意点があります。それは、感情を取り違えて伝えてしまうと、逆効果になるということです。たとえば、相手が落ち込んでいるときに「すごく元気そうだね!」と言ってしまうと、「ちゃんと見てくれていない」と感じさせてしまい、かえって信頼を損なう可能性があります。
そのため、相手の表情、声のトーン、態度などをよく観察し、丁寧に気持ちを汲み取ったうえで言葉にすることが大切です。

信頼についてさらに詳しく知りたい方は、ジョシュア氏の3つの記事シリーズ「信頼を評価する方法」「信頼を求める方法」そして「信頼を得る方法」をぜひ参考にしてみてください。

6.感情は伝染する?

✅正しいです!

感情は驚くほど速く、ほとんど無意識のうちに広がります。これには、声の抑揚や体の姿勢、さらには小さな表情まで含まれます。感情の伝染という現象を理解するためには、感情の進化的な歴史と基本的な目的を知ることが役立ちます。

感情の目的とは何でしょうか?

感情は、私たちに注意を向けさせ、行動を促すことで、生き延びたり、よりよく生きたりするための手助けをします。たとえば、恐れは危険に気づかせ、怒りは大切な価値観が脅かされていることを知らせます。また、感情は自分の内面の状態や、人との関係性についての大切な情報も伝えます。このため、私たちは周囲の感情的なサインに敏感でなければなりません。

私たちの感情は、自分だけでなく周囲の人にも影響を与えています。たとえば、動物の群れが危険やチャンスを素早く共有することで生き延びるように、人間も感情を通じて「今、何が起きているか」を周囲に伝え合っています。こうした“感情の伝染”は、グループの中でスムーズにコミュニケーションを取ったり、社会的なルールや関係性のバランスを保ったりするために、とても重要な仕組みです。感情の伝染を理解することは、感情を正しく認識し、意識的に扱う「EQを実践」するうえで非常に大切です。

私たちは無意識のうちに他の人に感情を広げているのです。だからこそ、まず自分の感情をしっかりと認識することが大切です。
あなたは今、どんな感情を広げていますか?

7.共感力は生まれつき決まった性格である?

❌ 間違いです!

共感力(感情を認識し、適切に反応する能力)は、EQの基本的な要素です。
共感力とは、相手の立場になって、その人が感じていることを理解し、それに基づいて自分の行動を決める力のことです。嬉しいことに、共感力は学び、身につけることができるスキルです。
実は共感力は私たちが生物的に備えている能力であり、同時に学び、磨くべきスキルでもあります。これは努力を必要とするので、Six SecondsのEQモデルでは、共感力の活用というスキルとして位置づけています。

共感力を高めるための実践的なアドバイスを2つ紹介します。

1.バイアス(無意識の偏見)認識する
私たちは、自分が親しみを感じる人、つまり自分の属するグループの人々に対して、共感を持ちやすい傾向があります。研究によると、どれだけ異なる人種やグループと接してきたかが、共感力に大きな影響を与えることがわかっています。

2.共感の落とし穴に注意する
共感を持とうとする意図があっても、時には共感の罠に陥ることがあります。それについてはこちら>>でさらに詳しく学べます。共感力は常に改善し続けるべきスキルであり、良いニュースは、それが学べるスキルだということです。それはEQ全体に当てはまることです。

EQは向上させることができる

EQは学ぶことができ、成長させることができます。私たちの脳は、一生を通して学び続け、成長し続ける力を持っています。そして、EQもその一つです。集中して努力すれば、EQスキルは向上させることができます。

世界経済フォーラムの「未来の仕事レポート」では、EQが21世紀に重要なスキルのひとつとして挙げられており、仕事の効率や人間関係、健康、生活の質に良い影響を与えることがわかっています。これはとても良いニュースです。

EQをさらに高めたい方や、気軽にEQに触れてみたい方には、 EQチェンジエージェント が開催する「EQ学びの広場」がおすすめです。詳細は EQカレンダー でご確認ください。

原文:7 Emotional Intelligence Facts -take the quizand get practical tips to apply the 7 facts-

 

Six Seconds Japan シックスセカンズジャパン EQ Six Seconds

Michael Miller
Senior Content CuratorSix Seconds米国本部のライター。ノーブルゴールは、命の奇跡への感謝を共有していくこと。より健康的でバランスの取れた達成感のある人生を生きるための、最新の脳科学に基づいた実践可能で適応可能なヒントを中心に記事にまとめています。

 

EQを知る、EQを実践する

Six Secondsグループは、グローバルで、科学に基づき、実用性の高いEQを世界各国で伝えています。日本オフィスであるシックスセカンズジャパンでは、最先端のEQの情報を日本語で発信するほか、Six Seconds国際認定資格セミナーの国内開催を行い、資格を持ち日本各地で活躍するEQチェンジエージェントと共に日本全国へEQを届けております。

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