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親子の日常を通して~相手と自分は鏡~

by : EQプラクティショナー|中川由香  | 

2022年1月18日 | 

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自分の感情のナビゲートをするということは、相手の感情もナビゲートもできるということ

この話は息子が小学校入学後、突然学校へ行き渋り、1年間母子登校をし、明日すらどうなるのかわからない道に迷いこんでしまった私たち親子が、感情と向き合い、折り合いをつけながら、自分らしく偽りなく、満足した生活を『何一つ変化していない日常』の中で送れるようになったプロセスを綴りたいと思う。

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Six Seconds国際認定資格を取得し、EQプラクティショナーとして活躍されている トランスフォーム・プロジェクト代表 中川由香様より、EQコラムをお届けいたします。

 

不安、焦り、苛立ち、落胆のサイクル

当時、息子に見つめられると愛おしさを感じるどころか『ああ、始まった。』と、眉を顰め、強張った表情で自分の気持ちをぶつけてくる息子に『その解釈は間違っている。』と正論で言動や行動を改めさせようとしていた。それでも到底理解できない言動をする息子に落胆し、イライラし、かける言葉は強制的になり、何とかその場を収め、彼を納得させようと試みるが、聞く耳を持たない様子に次第に声も大きくなっていく。

納得いかない様子の息子の姿に、私の気持ちは『自分に何か落ち度がなかったか』と確認しはじめ、深い霧がかかったような出口のないモヤモヤした気分に次第に困惑する。そして息子が先ほどより大きな不満を抱えていることに気づき、私は焦り、不安も倍増し、いら立ちは最高潮に達してしまう。結果的に激怒し、『強制』という形で話を進め、反発する息子の感情も激化し収拾がつかず、私は諦め、その光景を傍観する。

泣き疲れた息子が眠りにつくと悲しみと一日が過ぎた安堵からなのか、涙が止まらなくなり、自分を責め叱咤し自信を無くし、次こそは・・・と本を呼んだり、ネットを開いたりと自分の知り得たい情報を探し、外へ外へと安心を求める日々をおくっていた。

こんな状況にEQを知る前は何度も陥っていた。息子を理解するため、あの手この手で攻めているつもりでいたが、実は同じループの中にいて、同じ感情と行動パターンしか使用していなかった。息子のパターン化したリアクションサイクル(人間の感情反応プロセスをモデル化したもの)にまんまといつも乗車してしまい、息子を恐れ、成すすべを失い、改善しない焦りから不安やイライラに耐えられずに激化し、彼を怖がらせ、従わせ、落胆させ、自身も落胆するループに陥っていた。

反応から意図的な対応へ

EQ講座で得た学びの1つ。相手がいても自分に対して出来ることがたくさんある。それを踏まえて怖がらず、蓋をせず自分を分析する実践をした。母親なのに息子の良き理解者になれない。母親らしからぬ振る舞い。感情的で恥ずかしい。他人から見た自分、母親とはこうあるべきという自分の象徴像からの焦りで、うまく感情ナビゲートができていないと感じた。

外的にどうかより、本当になりたい母親、本当にありたい姿を考えることにした。そこでまず、一番初めに彼が見つめてきたら眉を顰めてしまう理由を考えた。またきっと何か不平を言われる。グズグズされる。と勝手に推測しているからだと。そこでそれを回避するため彼が口を開く前に自分から質問をしてみることにした。『どうしたの?何か困ったことがあるの?』と。

すると予想通り彼は駆け寄ってき不平や怒りを時々交えながらに訴えてきた。私は『やっぱりね。』といつもの気持ちになったが、否定や正論を述べず、気持ちに寄り添ってみようと決めた。

いつもと違う受け答えに、不満はあっという間に収まった。その喜びと安堵からか、私は自然と『大丈夫になって嬉しいよ。』と言葉をかけていた。その後も受け入れがたいアクションを彼が起こすたび、彼の気持ちにひたすら寄り添った。すると、じっと見つめてくることが少なくなり、聞いてほしいと言葉で伝えてくれることが多くなった。

私は対応が上手く出来たという実感を得たので、いつものように不安を煽るような考えをすることを控えた。代わりに上手くできた。これが最善だ。と考えるようにした。その後は喜びに似た感情も出てきて笑みがこぼれた。

しかし、いつも思うようにいく筈もなく、時には激高し彼が近づいてくることもあり、やっぱり、期待が外れた。私は上手くやれてない。母親として機能していない不完全だ。と悲しみと絶望に似た感情を感じることもあり、その状況に気分が悪くなり、少し同様することもあったが、彼の行動が私の期待した通りにならなかったから、私は悲しいんだ、イライラするんだな。と自分の感情を常に分析し、ナビゲートすることにフォーカスするよう努めた。そして彼を有りのまま受け止め、言い返さない、聞き流す、時間を置くということに務めた。

受け止めきれないときは、このままここにいたら私はどんな行動に出るだろう?と考え、その場からしばらくいなくなるという選択もした。とにかく彼の感情のサイクルに入らない選択をした。その代わりに『あなたの悲しい気持ちを教えて。あなたの不安を教えて。どんな言葉でもいいからママあなたを知りたいな。』と自分が知りたい情報を知ることに近づくように自分の気持ちを彼に伝えた。

今まで『なぜこうなるの?何が嫌なの?』と何度となく質問してみたけれど、詳細に答えてくれたことは無かったが、はじめて心の内を答えてくれた。
話してくれたことへの安堵と、ずっと聞きたかったことが聞けた達成感から私は彼が次に起こすであろうリアクションを、勝手に予測したり恐れることなく、『嫌なんだね。やりたくないんだね。』と声をかけるようになっていった。

彼は『自分の気持ちをちゃんと言えって言われても、どうせわかってもらえないとか、怒られるとか、違うって言われるかもって思うと、不安になってやりたくなくなる。嫌だって言葉しか見つからなくて黙ってしまうこともある。困らせてばかりいるから、僕を嫌いなんだろうなって思ってもっと泣きたくなる。どうせ僕はいつもそうなんだって。でも今日は上手く言えたよ。ママがいつも僕のこと想ってくれてるのはよくわかってるよ。』と。

影響し合うお互いのサイクル

自分の感情のナビゲートをするということは、相手の感情もナビゲートできるということに気づいた。私自身が自己の感情をナビゲートしたことが結果的に良い形で彼のリアクションサイクル(人間の感情反応プロセスをモデル化したもの)に介入し、私がよい感情をあえて選択することで、息子のリアクションサイクルも良い方向に連動し、彼も良い感情を選択でき、結果的にお互い良好な関係が築くことが出来たのだと思う。感情のナビゲートが出来ていなときはお互いに聞いているようで、言っているようで何も言えず伝わっていないというのがよく分かった。

 

自分の感情を知ると見たくない、知りたくない自分を垣間見る。時には相手からそれらを指摘されることもある。しかし受け止めたくない自分もありのままの姿の自分で決して存在してはいけない自分ではないと感じたことが何よりも、よい感情を選択するきっかけになれた。自分を知ったうえで、どの方向(感情)を選ぶかで、何も変わっていない状況でも見える景色は全く違うものになるだろう。

今、私たち親子は何も変わっていない日常を毎日最善だと感じて生きている。

 

トランスフォーム・プロジェクト 代表
オルタナティブスクールしいの木 親の会 広報
EQプラクティショナー
中川 由香

 

 

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