EQテスト診断結果、成功要因「ウェルビーイング」が教えてくれた違和感
by : EQチェンジエージェント|株式会社コンビンスアイ・斎藤 良 |
2019年5月1日 |
EQACとしてのデブリーフィング(EQテスト結果を用いての面談)の最中、お話していても、とてもハキハキとされており、私からの問いかけにも拒絶反応を起こすことなく、意図を汲み取って答えている
ご様子だったAさん。ですが、私は何かモヤモヤとする幾ばくかの違和感を感じていました。本当の気持ちには何か触れられないようにしているのではないか、結構厚い壁を作っているのではないか、そんな感覚がありました―――
社労士業も行う人材コンサル業を営みながら、Six Seconds国際認定資格を取得し、EQチェンジエージェントとしてEQを活用し活躍されている株式会社コンビンスアイ・代表斎藤氏のコラムをお届けいたします。
ある介護施設で社員面談を行ったときのお話をさせて頂きます。
この施設のリーダークラスの方々に、最初にSEIリーダーシップレポートを受検して頂き、それを基に社員面談(個別セッション)を実施しました。その中のお一人、看護師のAさんとお話したときのことです。
一般的に介護施設における看護師さんというのは、介護士さんや事務員さん等に比べると職場内でのパワーが強く、比較的優位な立場で仕事をしているという印象が個人的にはあります。このAさんも、幾分プライドを滲ませながらいつも闊達にお仕事されている雰囲気でした。SEIレポート上でも、「知る」「選ぶ」「活かす」すべて機能レベルに達しており、上手に感情と向き合いながら有意義な人生を送られているのではないかと推察されました。実際にお話していても、とてもハキハキとされており、私からの問いかけにも拒絶反応を起こすことなく、意図を汲み取って答えているご様子でした。
そんなAさんでしたが、私は何かモヤモヤとする幾ばくかの違和感を感じていました。(実際、優等生で)優等生発言が多いことは構わないのですが、本当の気持ちには何か触れられないようにしているのではないか、結構厚い壁を作っているのではないか、そんな感覚を抱いていました。もしかしたら、手短に行った事前プロファイリングで、成功要因のウェルビーイング(健康意識)だけが著しく低かったことが、どこか私の頭の片隅に引っかかっていたのかも知れません。
違和感は感じていたものの、こちらから強引にハンマーを翳してその厚い壁をぶち破るようなまねは慎むのが肝要と思いつつ、面談も終盤に差しかかりました。
すると、Aさんの方から私に、「最後に何かアドバイスはありませんか?」とお聞きになりました。私は「こうした方がいいですよという、上から目線のような助言は私からはありません。お話をお聴きしていて充実感もお高いようですし、このまま過ごされていかれるのが良いのではないでしょうか。ただ、くれぐれも健康にだけは十分ご留意してお過ごしくださいね」とお伝えしました。
結論をお話すると、Aさんは数年前に癌を患われたとのことでした。幸いにも比較的良性な腫瘍で、治療を経て今は元の状態に戻られているそうです。でも、
等々。そういったお話を、その後大幅に時間オーバーしながらも、堰を切ったように話して頂くことができました。
不安なことを不安だと認められること、自分の弱さを受け入れられること、そこが大事なのではないでしょうか。今の自分の正直な気持ちを冷静に受容してあげることで、やがて前を向いた行動に繋がり、次の自分を育てていくのではないでしょうか。そんな場面に立ち会えたと思える機会を、SEIリーダーシップレポートを活用した面談を通じて得ることができました。
EQチェンジエージェント
株式会社コンビンスアイ・斎藤 良