【事例紹介】「指示待ち組織」が変わる!TVSとEQ診断を活用した 組織風土改革の軌跡
by : 6SJ |
2026年7月27日 |
組織のエンゲージメント低下や「指示待ち」の風土にお悩みではありませんか?
今回は、組織風土診断「チームバイタルサイン(TVS)」と管理職向けのEQ診断「SEIリーダーシップレポート」を掛け合わせることで、組織風土改革の確かな一歩を踏み出した企業「株式会社ゼネット」の事例をご紹介します。

①「チームバイタルサイン(TVS)」で浮き彫りになった組織の特性と課題
この企業では、2025年8月にTVSを実施し、組織の現状を可視化して役員や管理職にフィードバックを行いました。その結果、事業部全体に共通する特性と課題が明らかになりました。
TVSでは、組織のパフォーマンスを下支えしている5つの風土要因と、それぞれの風土要因を支える15の副要因との関係を明らかにします。

最も顕著だったのは、実践・行動を構成する「フィードバック」と「焦点」のスコアが全体的に高く、モチベーションを構成する「自律性」や「意味」のスコアが全体的に低いことでした。
これは、結果を出すための実践・行動が強みとして機能している一方で、メンバーが自律的・主体的に業務を推進するのではなく、トップダウンの指示命令による業務遂行が主となっている状態を示していました。
また、業務に対する意味や意義、目的を自分事として理解できておらず、仕事がただの「作業」になってしまっている懸念がありました。このままでは、期待を超える成果を出すことは難しく、組織の成長が望めない状況でした。
実行力が高く、フィードバックを活用しながら目標に向かって着実に業務を進められる組織。
主体性や仕事の意味づけが不足しており、メンバーが「言われたことをこなす」状態に留まっている。そのため、創意工夫や挑戦が生まれにくく、組織として期待を超える成果や持続的な成長につながりにくい。

② EQ診断とコーチングによる取り組みとその効果
この課題に対し、同社は2つの事業部(AおよびE)を選定し、組織風土変革プログラムをスタートさせました。具体的には、管理職を対象とした「EQ診断」と、月1回程度の「個別EQコーチング」を実施しました。約半年後に再度TVSとEQ診断を実施して効果測定を行った結果、目覚ましい変化が表れました。
EQ診断には、現在のEQの活用度合いと詳細なフィードバックが提供される「SEIリーダーシップレポート」を使用しました。

A事業部の成果と新たに見えた課題
「エンゲージしていない」社員の割合が50%から39%へと大幅に減少しました。EQコーチングを通じて、事業部長自身が「事業の方向性を明確に示す必要性」に気づき、自らの言葉で方針をメンバーに伝えたことが、このエンゲージメント改善に繋がったと考えられます。

一方で、A事業部においては「風土要因(信頼、モチベーション、チームワーク、実践・行動、変化対応)」や、その結果として影響を受ける「成果要因(持続可能性、満足度、結果志向、俊敏性)」に有意な変化がすぐには表れなかった部分もありました。
風土要因は「成果を生み出す土壌」です。成果要因は、その土壌から育つチームの状態といえます。これらの要素に変化が見えないのには、何かより深いところに原因があるように感じられました。

VSコンサルタントによる詳細なTVSデータ(定量、定性)の分析により見えてきたのは、これまで見過ごされがちだった「深層の課題」でした。
特に成果要因の「持続可能性」「満足度」が低い原因として、モチベーションの副要因である「自律性」と変化対応の副要因である「想像」の2つの要素が、大きく関係していることが見えてきました。
それは、これまで見えてこなかった新卒入社から3〜5年の期待の若手社員が「長期的なキャリアが見えにくい」「チャレンジする機会が得にくい」と感じていて、それがモチベーションの低下や離職のリスクに繋がっているという根本的な原因でした。
TVSによってこの課題が明確化されたことで、今後は「若手が自律的に取り組める施策」や「長期的なキャリアパス・将来の展望を描ける人事制度の構築」など、若手の離職を防ぎ定着を促すための具体的な対策に打って出ることが可能になりました。

E事業部の成果とさらなる飛躍への機会
E事業部では、「エンゲージしていない」社員が50%から40%に減少し、「エンゲージしている」社員が8%から13%へと増加しました。さらに、風土要因である「モチベーション」や「変化対応」、成功要因である「満足度」や「結果志向」のスコアにも改善が見られました。管理職のEQコンピテンシーにポジティブな変化が見られ、それが組織風土の改善へと明確に波及していることが示唆されました。
さらにE事業部では、組織がより良い方向へ変化するための「次なる機会(伸びしろ)」も発見されました。今回の取り組みを通じて「モチベーション」や「満足度」は高まりつつありますが、さらにモチベーションを高め、期待以上の成果を出せる組織にするためには、管理職がメンバーに対して明確な「事業の方向性」や「長期的な事業戦略」を示すことが重要であることがわかりました。
次年度に向けて、管理職が自らの言葉で方針を語り、メンバーの実践を後押ししていくことで、組織風土改革がさらに加速していくことが期待されています。



見えない課題を可視化し、「次の一手」を導き出す「TVS(組織風土診断)」の価値
この事例からもわかるように、TVSの最大の価値は、単に組織の状態を「良し悪し」で測るだけでなく、「目に見えない組織の風土やエンゲージメントを数値化し、課題の根本原因を特定できる」点と、さらに「期待の若手がなぜ辞めてしまうのか」「組織がさらに飛躍するためには誰が何をすべきか」といった、次に取り組むべき具体的な課題と対策の糸口をデータから導き出せる点にあります。
一時的な改善で終わらせず、継続的に組織を進化させていくための羅針盤として、TVSを活用してみませんか?
VS コンサルタントの認定資格を取得すれば、こうした科学的データに基づき、自社やクライアントの根本的な組織開発をリードできる専門家としての道が開けます。
管理職・リーダー育成に不可欠な「EQ(感情知能)」の力
本事例で注目すべきもう一つのポイントは、これまで世界規模での調査研究でも実証されている「管理職のEQは組織の活力に影響を与え、エンゲージメントやパフォーマンス(成果)を左右する」という事実です。

部下の自律性を引き出し、組織を成功に導くためには、管理職・リーダー自身のEQ(感情知能)の向上が鍵を握ります。
本事例のように、EQ診断で管理職・リーダー自身の課題を把握し、コーチングを通じて行動変容を促すアプローチは、マネジメント層の意識改革や次世代リーダーの育成において極めて有効です。
組織のポテンシャルを最大限に引き出すために、TVSによる「組織風土の可視化」と、EQ診断を組み込んだ「リーダー育成」への取り組みを、ぜひご検討ください。
本プロジェクトのメンバー

小林 知枝(Tomoe Kobayashi)
企業内コンサルタント、人材育成・就職支援・メンタルヘルスなどの講師やコンサルタントとして活動するEQ(感情知能)の専門家。8,000人を超えるキャリア支援実績を持ち、EQアセスメントを活用したコーチングで若年層から経営層まで幅広く成長を支援している。
EQを学びたい方へ
Six Secondsグループは、グローバルで、科学に基づき、実用性の高いEQを世界各国で伝えています。日本オフィスであるシックスセカンズジャパンでは、最先端のEQの情報を日本語で発信するほか、Six Seconds国際認定資格セミナーの国内開催を行い、資格を持ち日本各地で活躍するEQチェンジエージェントと共に日本全国へEQを届けております。









