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入社1年目の離職をゼロへ

by : EQチェンジエージェント|xlabo 四元 千佐子  | 

2015年2月6日 | 

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「入社1年目で辞めさせない」

EQアセッサーのスキルによって
「心が折れない」「すぐあきらめない」社員の育成が実現しています



株式会社ゼネット 総務部マネージャー
SEI EQアセッサー/VSコンサルタント/BPCブレイン・プロファイラー

四元 千佐子 様


 

四元千佐子さんはICTベンダー企業・株式会社ゼネットで社員の業務・事務マネージメントを担当しています。

採用、人材育成、社内コミュニケーションの醸成、技術継承など、人事に関わるすべてに携わるなかで「社員の心の健康をどうケアし、サポートしていくか」を長年の課題としてきました。

GCDF-Japanのキャリアカウンセラーを目指す過程でSix SecondsのEQ理論に出会い、ITスキルプラスαとして「感情」の重要性を認識。SEI EQアセッサーとなって「心が折れない」「すぐあきらめない」社員の育成に活用し、成果をあげています。

 

ギリギリになって相談に来る社員たち

キャリアカウンセラーを目指そうと勉強を始めたのは、社員の深刻な悩みや相談に対して、対応スキルや心理的側面などの基礎知識を身に着け、しっかりとした資格を持って応対したいと考えたからです。
若年層、それもIT技術者の「うつ」は社会的な問題にもなっていますが、これは突然かかる病気ではありません。日常的な違和感やつらさ、痛みなどが積もり積もって心の病として発症します。
私に相談に来る時は、本人に自覚がなくても、実はもう崖っぷちという状態の人が多かったため、私自身が確信を持って対応する必要に迫られたのです。

キャリアカウンセラーの養成講座で偶然出会ったのが、シックスセカンズジャパンの田辺代表でした。
田辺さんが語る、感情と行動の関係を論理的に解き明かすEQ理論や、それを目に見えるかたちで提示してくれるEQアセスメントの結果に驚き、感動したことを覚えています。

同時に、これを活用すれば、社員たちが心をわずらうところまでいかない「未病」の段階で対応できるのではないかと感じました。
そこで、キャリア・コンサルタントの資格と共に、SEI EQアセッサーの資格取得にも踏み切りました。結果として、EQを学んだことがキャリア・コンサルティング技能を活かすことにつながっています。今までは社員の相談にのる際は、つい欠点に焦点を当てがちだったのですが、「この人のここが強みだな」という視点が作れるようになりました。

 

EQはIT技術者の志向にマッチ

IT技術者は理系出身者が多く、ほとんどの人がデータ好き。自分のEQ発揮の状態や自分の強みがデータとして可視化されるEQアセスメントは、社員も結果を受け止めやすいだろうと予想はしていましたが、実際の反応は私の予想以上のものでした。誰もが「おもしろい」と感じながら自分の結果を受け入れてくれたのです。

取組みに工夫を加えた点は、「集合研修+キャリア・カウンセリング」とした点です。集合研修でEQアセスメントについて理解をしてもらい、個別のキャリア・カウンセリングの中で、EQアセスメントの結果に出ている今の自分の状態から、これからどのように活かすかを一緒に考える時間を作りました。
普段、自分の考えていること、感じていることを吐き出すだけでなく、自分のキャリアを自分で考えるプロセスを作ることが主体的なキャリア形成の支援となります。EQアセスメントはその手助けをしてくれたと感じています。

 

「新人がすぐ辞めない」会社へ

キャリアカウンセラー、SEI EQアセッサー資格取得の背景には、「社員の悩みや相談をしっかりと受けとめて、聴く」ことでIT技術者のうつ予防という考えがありましたが、実はもう1つ私の夢も織り込まれていました。それは「社員が活き活きと、当社で長く働いてほしい」というものです。

実はこれまで入社1年未満で退職してしまう人が毎年数人はいました。EQを社内の全階層教育へ導入するにあたり、「入社1年目で辞めさせない」ことを大目標に掲げ人材育成に取り組んだところ、創業15年目にして初めて「新入社員の退職者ゼロ」を達成することができました。これは当社にとって大きな成果でした。
EQ導入2年目となった昨年度も、1年未満の退職者はゼロ。EQを導入する価値を改めて実感しています。

 

新しい事業(Xlabo エックスラボ)~EQ開発のEラーニング~が誕生

IT技術者に必要なのはITリテラシーだけではありません。IT技術者にITのリテラシーが必要なのはもちろんですが、実は、より根源的なところでEQの能力発揮がきわめて大切なのです。プロジェクトのチーム内外の人とのコミュニケーションをしっかり取り、人を育てる意識を持つなど、ヒューマンスキルを高めていかないと、多様な人と協業して成果を出すプロジェクトワークは立ち行かなくなります。

当社はEラーニングのシステム構築や運用に関し、多くの実績を持っています。そこで、まずは自社内で自分たちの取り組んだEQ開発のEラーニングを構築し、研究してみようという試みをスタートしました。名称は「Xlabo(エックスラボ)」です。管理職向け、IT技術者向け、新入社員向けといった対象者別に構築し、展開を始めました。

新入社員を対象とする「フレッシュマンズラボ」は、弊社の新入社員を中心にプロジェクトを組み「新入社員の自分たちが必要と感じるコンテンツ」を考案し実現したものです。「ビジネス・マナー」「ビジネス・マインドを身につける」「EQ検査」「Eラーニング」「EQコーチング」これらを組み合わせ、失敗があっても簡単にめげない、心が折れない新人になるための対応や考え方を身につけるプログラムとしています。

おかげさまで「Xlabo」を社員研修に取り入れてみたいというお問い合わせをいただくまでになりました。自分たちが身をもって体験したことを、同じような課題を持った企業や組織の教育ソリューションとして提供させていくことで、IT企業に働く人たちをEQ+1(プラスワン)で応援していきたいと思います。

そして、社員一人ひとりの「人生の成功」を、会社として支援できるこの取り組みに誇りと自信を持ちながら、さらなる充実を目指し、私自身もEQ実践をしていきたいと考えています。