内発的なモチベーションを発揮するために大切な、3つのポイントと3つのバランス
by : EQチェンジエージェント|COLORES 廻田彩夏 |
2019年6月13日 |
内発的なモチベーションについて、「自分で自分を奮い立たせる能力」とEQACとしてデブリーフィングをする際などは一言説明をすることもあるが、この能力が重要であるということは様々な場所で語られていて、コーチングでもマインドフルネスでも、ビジネスマガジンでも、教育分野でも、この言葉は使われている。では、これがあるのとないのとでは、どんな違いがあるのか。どんな時に発揮でき、どんな時に阻害されてしまうのか。私の実体験からまとめたいと思う。
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EQプラクティショナー資格認定セミナーを受講し、認定を受けたEQプラクティショナーの活動レポートより、一部をご紹介します。
「強みを発揮されるのは迷惑だ」
以前、とある企業にて新規事業のマネージャーとして半年間、週4日の時短勤務でコミットをしていた。そのプロジェクトが終わった後、様々な案件のサポートに入ることになった。但し契約更新の際の私からの要望は、体調や子育ての都合もあり、週3日の時短勤務。要望を受け入れていただき、2か月が過ぎようとしていたある日、突然近くのカフェに呼ばれ、こんなことを告げられた。
Six Seconds EQモデルのKnow Yourselfに蓋をし、発揮しないでいた当時の私は、何かを感じそれを察知する前に「これは彼の真意ではない、単純に何か言い方を間違えているだけだ」と一瞬にして感情のナビゲートを発揮し、自分の心が傷つかないように心にシールドを張った。
が、次の瞬間、
と言われた。『あなたの強味を発揮せずにここで私たちの要望にのみ応えるなら、今の給料のままでここで働いて良い』と、受け取った。
これでは先方にとっては経済的に、私にとっては(先方にとっても)感情的に、お互いにunhappyな提案だ。また悲しいのは、彼らは私に辞めてほしいわけではなかったということだ。何かほかの伝え方、話し合い方が、お互いにあったかもしれない。
私のノーブルゴールは、「一人一人が自分らしく、自分の色で生きていける世界をつくる」。そんな世界こそが、最も幸せが大きく、豊かに調和して、平和な世界であると信じている。そんな私にとってこの提案は、私の内発的なモチベーションをマイナスに振り切る以外なかった。
内発的なモチベーションを発揮するための3つのポイント
一方で、現在、生業としているミュージシャンとEQファシリテーターの活動では、真逆のことがいつも起こる。お金よりもうんと大切な確信がある。私に対してだけでなく、その場自体に明らかな感動体験が生まれるのを知っていて、期待ができ、信じることができる。また決定する権利も答えも私の中にあることをわかっているから、物理的な損得と全く無関係の所で、「自分をもっと活かそう、幸せを生もう、何かできることはないか」という発想に必ずなるのだ。
- 自分の人生を自分で生きているという効力感(autonomy)
- 自分らしく生きる姿勢(authentic)
- その上での、自己表現(expression)
自己表現とは、仕事も、普段の言動も、在り方も含むと考えている。「生きる」ことそのものが自己表現だとも思う。
この3つを実践できていることが内発的なモチベーションのポイントであろう。
内発的なモチベーションを発揮する行動に大切な、3つのバランス
また、WILL, MUST, CANの3つのバランスもまた肝心だ。MUSTも、使命感<義務感の場合には、内発的なモチベーションを損なうだろう。
義務感のMUSTの物差しを自分の外側から持ってきて自分に押し当てたり、自分とは無関係かもしれないそんなMUSTのハードルを無意識のうちに上げてしまっている場合もありそうだ。「私は会社員なんだから、上司に従わなければならない」「私は母親だから、子どもをそっちのけでやりたいことをやってはいけない」といった「ねば思考」「べき思考」には気を付けた方が良いだろう。一方で「私はこういった人生を生きる人間なんだ、だからこれを選ぶ!」という動機ならどうだろう?
結果的には同じ行動であったとしてもその背景、或いは感情の氷山の下に隠れている思考や本当の感情によって、あっという間に内発的モチベーションはパワーダウンし、或いは内発的なモチベーションが一向に生まれず、感情的にも物理的にも、行動の後に目にする光景も変わってくる。同じMUSTでも、使命感のMUSTは気持ちが良い。
- 私が今感じているのはどんな感情?
- 私が本当にやりたいことは何?
- もしこれをすれば、私はどんな気持ちになる?
速く遠くへ行きたいときも、ゆっくり味わって進みたいときも、手応えや納得感を持って前に進むにはどうしてもEQが肝心で、自分自身の内発的なモチベーションの手綱を握ろうとすると、すべてのEQコンピテンシーを意識することになりそうだ。
EQチェンジエージェント
COLORES 廻田 彩夏