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その心理検査は本当に有効ですか?効果的な心理検査の選び方をチェック!

by : Michael Miller, Six Seconds Global  | 

2025年6月25日 | 

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昨今、若者たちの間で自分の特性を知るためのweb診断が話題になっています。また、企業様からの心理検査に関するお問い合わせも増えています。AIによる感情解析技術の発展も目覚ましいですね。
そんな中であらためて効果的な心理検査の選びかたを紹介します。


EQ検査が有効で信頼できるものかどうか、どうすればわかるのでしょう?
EQ(Emotional Intelligence; 感情知能)が概念として一般的になるにつれ、何十ものEQ検査が市場に溢れるようになりました。中には信頼できるものもあれば、そうでないものもあります。
ここでは、有効な心理検査にとって重要な要素とは何かを解説します。

By Michael Miller, Six Seconds Global


原文:What Makes an Emotional Intelligence Test Valid?


※日本語字幕で視聴いただけます。字幕をONにして視聴ください。

EQ検査の妥当性を示す3つの要素

1.表面的妥当性

「表面的妥当性」とは、その心理検査が何を測定しているように見えるのか、受検の目的と一致しているように見えるかについての度合いのことです。検査の設問と結果のレポートが、EQの検査として理にかなっているかどうかを表すものです。

多くの検査開発に携わってきたシックスセカンズCEOのジョシュア・フリードマンは、「少なくとも、EQ検査は感情に関する設問で構成されていなければならない」と話します。しかし実際には、感情や知能について測定しているとは言えないEQ検査が多く存在します。

2.構成概念妥当性

「構成概念妥当性」には、その検査が,測定しようとする概念や特性をどれだけ適切に測定し、反映しているかについての妥当性です。言い換えれば、数学的に意味のある形で設問が組み合わされ、意味のある結果を提供しているかということです。

Six Seconds Emotional Intelligence Assessment (SEI)は、シックスセカンズEQモデルの要素について測定するための設問群によって構成され、シックスセカンズEQモデルの枠組みに沿ってフィードバックを提供します。同様に、シックスセカンズの組織風土診断「TVS(チーム・バイタル・サイン)」も長年の研究によって導き出された「バイタルサインモデル」に基づいてフィードバックを提供します。

10年以上にわたる基礎研究の結果、これらのツールは、探索的因子分析、確認的因子分析、クロンバッハα係数、因子間相関分析、重回帰分析などの複数の統計分析を通じて開発されました。

3.再検査妥当性

「再検査妥当性」とは、その検査結果の信頼性と経時的な安定性を表すものです。研究者がある構成要素を測定するとき、その構成要素は時間を超えて一貫していると仮定すると、得られたスコアもまた時間を超えて一貫しているはずです。EQは時間の経過とともに変化しますが、数日で乱高下するようなものではありません。

多くのEQ検査が抱える問題点は、統計的な分析を通じて開発されたものではないために、いわゆる「雑誌に掲載される簡易テスト」のように回答結果を操作しやすいことです。どのような答えを選べば狙った結果が得られるか明らかなものも多く存在します。有効なEQ検査とは、回答の操作が難しく(操作的な回答があった場合はエラーとして判定できる)、長期間にわたって一貫した精度で測定できるものです。

適切なノームベースを持つとはどういう意味ですか?

シックスセカンズの検査はグローバルなノームベース(基準)を用いていますが、これはどういった意味があるのでしょうか?「ノームベース」とは、回答結果の解析を行う際に比較対象となる全体を代表するグループのことです。多くの人に設問に答えてもらい、度重なる数学的解析を行って比較対象の基準値とするノームベース(基準)を導き出します。これは専門的な検査には必要不可欠であり、基盤となります。もし対象となる集団を表す適切なノームベース(基準)がなければ、受検者とは異なる対象と比較することになってしまうからです。

シックスセカンズは、検査の妥当性や信頼性を保つために、ノームベースを始め、統計的な検証をし続けています。

AIによる感情解析とSEI(EQ検査)の違いとは?

感情を「見える化」する手段として、近年注目を集めているのがAIによる感情解析と、心理学に基づく**EQ検査(シックスセカンズのSEI)**です。どちらも「感情」を扱いますが、その目的や仕組みは大きく異なります。

AIによる感情解析とは?
AI感情解析は、表情・声・文章などの外から見える情報を分析し、今どんな感情が現れているかを推定する技術です。カメラやマイク、チャットの履歴を活用して、喜び・怒り・緊張などの感情をリアルタイムに読み取ることができます。

この技術の魅力は、即時性とスケーラビリティにあります。例えば、カスタマーサポートや会議中の雰囲気チェックなど、「その場の感情の流れ」をつかむのに非常に役立ちます。

ただし、AIはあくまで「外に表れた感情」しか読み取れません。その感情がなぜ生まれたのか、どう扱っているのかまでは踏み込めないという限界があります。

一方、SEI(Six Seconds Emotional Intelligence Assessment)は、心理学の知見に基づいた自己理解型のEQ診断ツールです。8つのEQスキルを可視化し、自分の感情との付き合い方、意思決定の傾向、モチベーションの源などを探ります。

AIと違って「内面のしくみ」や「感情をどう活かしているか」に焦点を当てており、自己成長や人材育成に非常に強いのが特長です。回答者自身の認識に基づくため、感情との向き合い方や価値観にも深く迫ることができます。

目的に応じた使い分けを

たとえば、「会議中のチームの雰囲気を知りたい」といったリアルタイムの状況把握にはAI感情解析が有効です。一方、「管理職の感情マネジメント力を育てたい」「チームのEQを高めたい」といった内面に働きかける支援にはSEIが最適です。

両者は競合するものではなく、相互補完できるツールです。外側のデータ(AI)と内側の理解(SEI)を組み合わせることで、感情の「状態」と「質」の両方にアプローチできるのです。

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Six Secondsグループは、グローバルで、科学に基づき、実用性の高いEQを世界各国で伝えています。日本オフィスであるシックスセカンズジャパンでは、最先端のEQの情報を日本語で発信するほか、Six Seconds国際認定資格セミナーの国内開催を行い、資格を持ち日本各地で活躍するEQチェンジエージェントと共に日本全国へEQを届けております。